ヤマハ発動機と西部運輸が最優秀賞、交通事故削減の優良企業を表彰…Safety Driving Award 2025

社用車事故削減の優れた取り組みを表彰する「Safety Driving Award 2025」受賞企業8社
  • 社用車事故削減の優れた取り組みを表彰する「Safety Driving Award 2025」受賞企業8社

GOドライブは11月25日、社用車を持つすべての企業を対象に、優れた交通事故削減の取り組みに光を当てる「Safety Driving Award 2025」の受賞企業が発表された。

同アワードは、全日本交通安全協会、日本事故防止推進機構、日本カーソリューションズ、あいおいニッセイ同和損害保険、GOドライブで構成される実行委員会が運営している。

営業車、送迎車、自家配送車などが該当する「営業車部門」と、タクシー、バス、トラックなどの貨物自動車が該当する「運送事業部門」の2部門で、それぞれ4社ずつ計8社が選出された。

営業車部門では、ヤマハ発動機が最優秀賞を受賞。優秀賞には丸尾興商と日立グローバルライフソリューションズ、特別賞にヤマダインフラテクノスが選ばれた。

運送事業部門では、西部運輸が最優秀賞を獲得。優秀賞には名阪急配と日本交通、特別賞にアトランシードが選出された。

最優秀賞を受賞したヤマハ発動機は、独自に設計した「交通安全選手権」が高く評価された。職場対抗により盛り上げる演出に加え、注力する交通安全活動に社員を巻き込む設計が巧妙だという。県のセーフティドライバーコンテストでも上位常連となっており、地域社会への模範となっている。これらの活動により、加害事故率を62%削減する成果も達成した。

同社の山川佑己氏は、「当事者意識を軸に、自発的に安全行動を取れる風土づくりに取り組んできた。叱めるのではなく褒め称える仕組みに着目し、楽しみながら参加できる交通安全選手権を考案した」とコメントしている。

西部運輸は、取り組み内容はシンプルで他の企業でも実践できるものだが、その運用の徹底度の高さが際立つと評価された。事故防止の取り組みやコンプライアンス遵守の姿勢が荷主からも評価されるなど、安全へ向けた活動が企業価値向上に繋がる好事例となっている。

同社の占部恵司氏は、2019年4月にグループの1社が事業許可取り消しの行政処分を受けて以降、改善基準告示の遵守に全従業員で取り組んできたと説明。長距離便をドッキング便に切り替えて法律をクリアした結果、得意先から法令遵守が評価され、長距離便の更なる受注を獲得できるようになったという。

安全教育については、2021年4月にYouTubeを活用した「Web安全講習会」をスタート。従業員からは「好きな時に受講できる」「事故映像を何度でも確認できる」などの好意的な意見が多かったという。

11月21日には、受賞企業の取り組み事例を紹介するイベント「Safety Driving Forum 2025」を開催。授賞式や企業事例紹介のほか、独立行政法人自動車事故対策機構による基調講演や、元京セラ副会長、元日本航空副社長執行役、NTMC代表取締役社長を歴任した森田直行氏の特別講演などが行われた。また受賞企業と参加者による交流会も行い、業界の垣根を越えて交通事故削減のために知見を共有する場となった。

実行委員会は「社用車を持つ以上、企業として事故の未然防止に向き合うことがあたりまえ」という認識を持つ人や企業を増やし、定着させるために、今後もSafety Driving Awardを実施していく予定だ。Safety Driving Award 2026に関するエントリー条件などは別途お知らせするとしている。

《森脇稔》

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