山口線の車両「レオライナー」を更新予定の西武鉄道は、11月18日、新型車両第1編成として、埼玉西武ライオンズをイメージした外観デザインの編成が完成したと発表した。山口線は西武球場前(埼玉県所沢市)~多摩湖駅(東京都東村山市)を結ぶ新交通システムだ。
●約40年ぶり全面更新
新型レオライナーは今後、山口車両基地に搬入され、走行試験や乗務員訓練などを経て、2026年3月下旬の運行開始を予定している。西武鉄道は、2025~27年度に従来型レオライナー全3編成を各年度1編成ずつ更新していく。山口線における車両更新は、1985年に山口線開業時に導入された8500系レオライナー以降初めてだ。
新型レオライナーの車両形式は、山口線の3駅を象徴する頭文字の「L」と、山口線沿線の可能性が無限大であることを示す「00(無限大記号)」とを組み合わせ、「L00系」とした。読み方は車両と路線の愛称であるレオライナーにちなみ「れおけい」。3駅の「L」は、西武球場前駅:Lions、西武園ゆうえんち駅:Leisure、多摩湖駅:Lakeとなる。
L00系新型レオライナー●輸送力増強+前面展望シート
新型レオライナーでは、客室の座席を従来のクロスシート(進行方向と交差)からロングシート(進行方向に平行)に変更し、ベルーナドーム(西武球場)でのイベント開催時の輸送力を強化した。先頭車最前部には親子で前面の車窓を楽しめる「kids SEAT」を配置した。2号車および3号車にはショーケースを設置した。ショーケース内の展示物は検討中だ。バリアフリー設備として、各車両に車いすスペースが1か所ずつある。
デザインは、第1編成では、ベルーナドームを本拠地とするプロ野球・埼玉西武ライオンズをイメージしたデザインとなった。先頭車両の車体側面には、ライオンズの公式マスコットであるレオのマークを大きく配置した。内装もライオンズをイメージした配色とし、ベルーナドームへ応援に行く人のワクワク感を引き立てる。
L00系新型レオライナー。ドアから一番遠い位置にあった優先席が、ドア側に移動
第2編成、第3編成のデザインについては、ベルーナドームや西武園ゆうえんちという非日常の場へ向かう人のワクワク感をさらに高揚させる車両をめざし、西武鉄道、西武ライオンズ、西武園ゆうえんちで働く社員が集まり、デザインを検討しているという。第2編成以降のデザインは次年度以降公表予定だ。
●L00系新型レオライナー
製作車両数:4両×3編成=12両
乗車定員:144人(座席:56人、立席:88人)
製作会社:三菱重工業
●8500系従来型レオライナー
1985年の山口線新交通システムの開業時に導入された車両。西武鉄道として初めてVVVFインバータ装置を採用した省エネ車両だ。運行開始から約40年経過していることから、新型車両に更新される。
●新交通システムとは
一般に、中規模の軌道系輸送機関 のことを「新交通システム」と呼ぶ。コンクリート製の走行路に案内軌条(ガイドウェイ)を設け、ゴムタイヤをつけた車両が案内軌条に誘導されながら進む方式が代表的。









