LIXILは、トヨタ自動車元町工場(愛知県豊田市)において、AIを活用してトイレ改修の調査・計画をサポートする実証プロジェクトを実施したと発表した。
トヨタ自動車は「人への投資による職場環境改善」として、設立から50年以上経過し老朽化した工場のトイレや更衣室、休憩所の整備を進めている。快適な職場環境の提供が選ばれる会社、工場につながると考えている。
LIXILは、データに基づく迅速なトイレ空間サービス「A-SPEC Pro」を活用し、設計者のさまざまな困りごとに対応。利用動作に基づく空間設計、設計ルールやガイドラインを考慮した計画などをサポートしている。
今回の実証プロジェクトでは、良好なトイレ環境づくりに不可欠な「混まない」「並ばない」トイレの実現を目指した。工場の業務特性や従業員の状況にマッチした改修計画により、多様なメンバーを大切にする職場環境を整えることを目的に、現状把握としてセンサー調査を実施した。
現状のトイレの実際の混雑状況、混雑の発生要因(就業時間や服装などの特異要因)、器具毎の詳細な利用状況を調査。改善ポイントを加味した混雑予測シミュレーションを適応した改修計画をサポートした。
実施内容は5つのフェーズに分かれる。混雑状況の可視化と分析、トイレ改修の課題抽出と改善ポイントの明確化、環境に応じたトイレの使われ方の違いや課題の傾向分析、混雑予測シミュレーションによる器具数検討、数値的事実に基づいた改修案および従業員満足度向上のためのプラン計画を実施した。
活用技術として、AI処理機能を有するインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」およびエッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS」(ソニーセミコンダクタソリューションズ製)を使用。シミュレーション技術では、AIを活用した「A-SPEC混雑予測シミュレーション」(LIXIL)を用いた。
実施期間は2024年11月から2025年1月まで。トヨタ自動車担当者は「これまで公に示されている事務所や学校などの基準を参考に工場トイレの衛生器具数を計画してきたが実情と合わない場合もあり、休憩時間に待ち時間が長くかかっている課題があった。今回の現地調査、分析により最適な導入数を計画できるようになり、根拠をもって利用者に快適な職場環境を提供できる計画ができることは大変有意義に感じている」とコメントしている。








