世に出て約30年、市販「AV一体型ナビ」の進化は止まらない![メインユニット最前線]

市販「AV一体型ナビ」の装着例(製作ショップ:カーファイ<神奈川県>)。
  • 市販「AV一体型ナビ」の装着例(製作ショップ:カーファイ<神奈川県>)。
  • 市販「AV一体型ナビ」の一例(アルパイン・ビッグX)。
  • 市販「AV一体型ナビ」の一例(カロッツェリア・サイバーナビ)。

センタークラスターパネルの中央に鎮座してカーオーディオシステムの核となる「メインユニット」。当連載では、その市販モデルの最新事情を多角的に解説している。今回は、市販「AV一体型ナビ」のトレンドについて説明していく。

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◆最新の「AV一体型ナビ」は、「スマホ連携力」が一層進化!

ところで世界初の「GPSカーナビゲーション」は、1990年に登場した。発売したのはカロッツェリアだ。そして同社は1995年にカーナビとオーディオとを一体化したモデルを発売。その後それはじわじわと普及し、2000年代の半ばにはかなりのクルマが何らかこれを搭載するようになっていく。

こうしてAV一体型ナビは、2010年代にはメインユニットの定番として他と比べて圧倒的な支持率を誇るに至る。しかしここに来てその図式が変わりつつある。昨今はスマホナビアプリを使うドライバーも増え、それを便利に使える「カープレイ」に対応した「ディスプレイオーディオ」の搭載率が上がってきている。

とはいえ現在でも、AV一体型ナビを好むドライバーは多くいる。車載専用設計であるがゆえにカーナビ機能が使いやすいからだ。なのでこれの進化は、未だ止まることなく継続中だ。

なお、最新機種の特長は大きく3要素ある。「スマホ連携力の強化」、「大画面化」、「エンタメ力の充実」、これらだ。

ではそれぞれがどういうことなのかを説明していこう。まずは「スマホ連携力の強化」から。

◆今やBluetooth対応は常識化し、HDMI入力端子の装備も進んだ。そしてさらには…

ところでスマホは2010年代に普及が進んだのだが、その黎明期から車内でも使われていた。特に、音楽プレーヤーとして便利だったからだ。これになら大量の音楽ファイルを格納できる。そして今では音楽ストリーミングアプリで音楽が聴かれるスタイルがスタンダード化し、スマホの音楽プレーヤーとしての存在感はますます高まる一方だ。

で、車内でスマホを音楽プレーヤーとして使う場合には、メインユニットとはBluetooth接続すると便利だ。ゆえに最新機種ではもはや、Bluetoothモジュールの搭載は常識となっている。ベーシック機でもほぼすべての機種が対応済みだ。

またスマホは、動画プレーヤーとしても機能する。なのでそれを可能とする「HDMI入力端子」の装備もかなり進んだ。少し前までは上級機のみの装備だったが、現在ではスタンダード機でも標準装備されている。

そしてさらには、「Apple CarPlay」と「AndroidAuto」(以下、カープレイ)への対応も進んできた。

◆最新AV一体型ナビの「スマホ連携力」は、さらに一歩先へ!

ところでカープレイは本来、ナビメカを搭載しないメインユニットで利便性を発揮する。対応していればスマホナビアプリを一層便利に使えるようになるからだ。なのでAV一体型ナビでの必要性はそれほど高くないとも言える。しかしながらAV一体型ナビのスマホ連携力の強化の一環として、今や対応がかなり広がりつつある。

というのも、ナビは車載専用機が使いやすくともナビアプリも使えるとサブ機として重宝する。そしてさらには音楽プレーヤーとして使うときにも利便性を発揮する。Bluetooth接続の場合には車載機器側でできる操作は曲送り等の基本操作に限られるが、カープレイ接続ならアプリの表示をそのまま車載機のモニターに映し出せてほぼすべての操作を車載機の画面上にて行える。

ただし「カープレイ接続」は有線となることが不利点だ。ところが……。

ここにきてワイヤレスにてカープレイ接続を行える機種が出てき始めた。そうであればカープレイ接続は最強だ。かくして最新AV一体型ナビのスマホ連携力の強化は、また一段階先に進んだ。

今回は以上だ。次回は「大画面化」と「エンタメ力の充実」について解説していく。お読み逃しのなきように。

《太田祥三》

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