トヨタ・オーストラリアは、トランスアーバンと協力して、協調型高度道路交通システム(C-ITS)技術の実証実験を開始したと発表した。
この実験は、オーストラリアの道路をより安全にすることを目的としている。
実証実験では、最新の『ハイラックス』に次世代のハードウェアとソフトウェアを特別に搭載し、V2X(車両と全ての物との通信)機能により交通流の改善と道路安全性の向上を図る。
今回開始されたこの共同開発実験の主な焦点は、高速道路への合流時の安全性向上にある。合流は事故や交通渋滞を引き起こす可能性が最も高い状況の一つとされている。
トヨタのC-ITS技術は、トランスアーバンの独自交通システムを活用している。このシステムはAIカメラ検知を使用して交通密度、位置、速度を判定する。
この情報は車両のC-ITSシステムと共有され、車両と周囲の交通との速度差や、車両のブラインドスポットにいる他の道路利用者の存在をドライバーに通知する。
この先進技術は合流時の全ての道路利用者の安全性向上に役立つだけでなく、交通流の改善にも貢献できる。実験の目的は、現在の車両と将来の自動運転車両の両方で使用できる技術を開発し、全ての人の道路安全性向上を図ることである。
実験はポートメルボルンのクック・ストリート上り線オンランプで実施され、9月まで継続される。
トヨタ・オーストラリアの販売・マーケティング・フランチャイズ事業担当副社長のショーン・ハンリー氏は、「この実験がトヨタ・オーストラリアとトランスアーバンの両社にとって貴重な学習機会になる」と述べた。
トヨタ・モーター・コーポレーション・オーストラリア(TMCA)は以前にもレクサスを通じてC-ITS実験に参加しており、見えない車両や歩行者の検知、今後の道路工事や交通情報、路面電車、救急車、信号機との通信など、様々な利益を提供するV2X技術をテストしている。