株式会社タイプR鑑定団は9月8日、栃木県矢板市にホンダのスポーツモデル「タイプR」の文化継承拠点『R-Community-Base』をオープンしたと発表した。
従来の自動車販売店が販売を最終目標とするのに対し、本拠点は「売らないクルマ屋」をコンセプトに、文化体験と仲間づくりを最優先とした業界初の革新的業態だ。
店舗では車両の買取を行うが、販売はオンラインプラットフォームを活用し、販売圧力を排除。顧客との深い信頼関係を築き、長期的な顧客価値の向上を目指す。
『R-Community-Base』は体験・交流・学び・共創の4つの柱を掲げる。体験では本格的なモータースポーツ体験や無限ホンダF1エンジン(実戦投入品)の常設展示、レーシングシミュレーターによるドライビング体験を提供。交流は毎週土曜に『S2000』限定やUSAホンダ車などのオフ会を開催し、年齢・性別・地域を超えたファンの交流の場となっている。

学びの場としては歴代タイプR車両のアーカイブ展示やクルマ雑誌・設計資料を集めた「Rライブラリー」を設置。共創の面では支援者参加型のクラウドファンディングを通じてファンの声を反映した拠点づくりを進めている。
代表の松本正美氏は無限ホンダでF1エンジンの設計を担当し、約29年間でホンダ新車を3500台以上販売したType Rのスペシャリスト。彼は「最高の技術は人の情熱から生まれる。Type Rは単なる商品ではなく文化であり、次世代に継承したい」と語る。
クラウドファンディングでは307人の支援者から約404万円の資金を集め、従来の販売中心のビジネスモデルを見直す取り組みを進めている。
店舗は栃木県矢板市中に位置し、東北自動車道矢板ICから車で約5分。営業時間は10時から18時で、第1・第3火曜と毎週水曜が定休日だ。