メルセデスベンツの高性能ブランド、メルセデスAMGは8月29日、合計25の長距離走行記録を樹立したコンセプトEV『コンセプトAMG GT XX』に、革新的空力技術を採用したと発表した。
【画像】メルセデスAMG CONCEPT AMG GT XX
同車両は8日間で4万0075km(2万4901マイル)を走行し、合計25の長距離記録を樹立した。この「8日間で世界一周」と呼ばれる挑戦では、2台のコンセプトカーが時速300kmで7日13時間24分07秒にわたって走行を続けた。
特に注目すべきは、電気自動車による24時間走行距離の記録更新。従来の記録は14回にわたって更新され、24時間ごとの記録も圧倒的な差で上回った。
記録達成の鍵となったのは、革新的なドライブトレインシステムだ。3つのアキシャルフラックスモーターと直接冷却バッテリーを搭載し、これらの技術は来年から新しい高性能AMG.EAアーキテクチャに採用される予定だ。
空力性能も記録達成に大きく貢献した。時速300kmでは駆動エネルギーの約83%が空気抵抗の克服に必要となるため、高速域での空力最適化が重要となる。同車両は空気抵抗係数0.19という優秀な値を実現し、これは重量90kg軽量化と同等の効果をもたらした。
車両には統合冷却システム、高度な空力設計、インテリジェント運転戦略など、量産予定の革新技術が多数採用されている。外装では車体側面の発光ペイント、スピーカー内蔵ヘッドライト、リア部のMBUX Fluid Light Panelなどが特徴的だ。