童夢は、DOME F111/3(FIA規格車両/FORMULA REGIONAL)をベースとした新型レーシングカー「DOME CONCEPT SPORTS(仮称)」を開発し、8月9日に富士スピードウェイで開催されるGC Returnsイベントで初の公式走行を実施すると発表した。
同車両は、1980年代後半まで隆盛を極めたグランチャンピオン(GC)車両の作り方をモチーフに、現代風に解釈した日本独自のレーシングカーとして開発された。カーボンモノコックシングルシーターをベースとし、FIA 2018サバイバルセル規定に準拠している。

エンジンは約340hp(Regional車両は約270hp)を発生し、マルチマチック製DSSVダンパーやSADEV製6速シーケンシャルギアボックスを搭載。富士スピードウェイ専用仕様としてギア比を設定している。
車両の設計には、ル・マン24時間レースでの優勝車フォード『GT』をはじめ、アストンマーチン、ウィリアムズF1、パノス、マセラティ、日産など世界的な自動車メーカーの車両開発に携わってきたブライアン・ウィリス氏(現Leap Racing CEO)が参画した。

同氏は「本プロジェクトでは、単なるFormula車両の延長ではない新たなルックスと存在感を持った車を目指した」とコメント。ノーズやフロントウイング、フェンダー形状に特にこだわり、従来にないアグレッシブな造形を実現したという。
童夢は環境にも配慮し、DNAP(童夢製NFRP:Natural Fiber Reinforced Plastics)も採用。コンバージョンキットにより、現行Regional車両からの容易なアップデートも可能としている。

走行は8月9日のレジェンドデモラン枠(9時20分~9時40分)で実施され、走行後はA34番ピットで展示される予定。同社では今後さらに熟成テストを重ね、来年度の受注生産販売開始を予定している。