HKSが同社製ピストンキットのリングを最新技術を盛り込んだ「TYPE-LF(Low Friction)」としてリニューアル。第一弾としてΦ86.5の4ピースセット(税込み価格2万9700円)と6ピースセット(税込み価格4万2900円)の単独販売が開始された。
今回リニューアルされるピストンリングは、過酷な条件下でも最大限の性能を発揮できるよう最新の理論で設計されている。
TOPリングでは、常温時・高温時を問わずブローバイガス量の低減を実現した。従来品と比べて常温時の合口部のガス通路面積を約27%縮小し、膨張係数の高い材料の採用により運転時(高温時)においても合口隙間を約88%減らしている。

材質・表面処理の見直しにより高性能・高耐久の両立も図った。従来品より熱伝導率が約37%高い材料を採用し、ピストンの冷却性能向上とリング溝の摩耗を抑制する。リング張力を下げてフリクションを低減し、表面処理を初期のなじみ性を重視した仕様としている。
2NDリングは合口隙間を約25%拡大してセカンドランド圧力低減を実現。セカンドランド圧力を下げることでTOPリングの「フラッタリング(リングが溝の中で暴れる現象)」を抑え、シール力を向上させる。従来品からリング張力を約18%下げ、フリクションを低減している。

OILリングは従来品の2ピース構造から3ピース構造を採用し、リング張力を約10%低減することで大幅にフリクションを抑えた。張力を低減してもオイル消費を増加させない構造としており、オイルを掻く本来の機能は悪化しない。
今回のリニューアルに伴い、Φ86.5のピストンリングを採用している同社の排気量アップキットおよびピストンキットに付属するピストンリングも刷新される(対象エンジン:4B11、RB26DETT、SR20DET、FA20)。
また、同社では今後、Φ87・Φ94など他サイズでも順次リニューアルを実施する予定としている。