ドイツのマーレは、5月21日から23日までパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMA」に14年連続で出展すると発表した。
同社は日本市場に対し強いコミットメントを示し、「電動化」「熱管理」「高効率で持続可能な内燃エンジン」の3つの戦略分野に焦点を当てた最新製品を展示する。東アジア営業部門最高責任者の柳生直樹氏は、「日本の顧客の国内外すべてのニーズに応え続けることが使命」と述べている。
展示の目玉は「MAHLE SCT電動モーター」で、小型化・軽量化・高効率を実現した一体型油冷システムを採用し、信頼性と耐久性を向上させている。さらに、インバータ冷却用の「Water Jacket」は絶縁性樹脂で軽量化し、製造コストも削減した。

また、バッテリー式電気自動車(BEV)の複雑な熱管理を一体化した「Thermal Management Module」も注目される。これは配管不要で断熱性と気密性を高める設計だ。
水素エンジンの開発支援も進めており、特に大型商用車での利用に期待がかかる。マーレはCNGやエタノール燃料の技術を活かし、水素エンジンの高効率化を目指す。

さらに、5月21日に同時開催される「2025年春季大会学術講演会」では、マーレベーアジャパンの土屋穂高氏が「バイオニックデザインを使ったBEVにおける熱マネ効率向上技術」について講演する。自然界の形状を応用し、ファンによる騒音問題を改善した技術を紹介する予定だ。
マーレは1920年設立の老舗で、世界中の乗用車と商用車の約半数に同社の部品が搭載されている。日本では50年以上の歴史を持ち、国内17拠点で約2600名の従業員が働く。アジア太平洋地域の統括本部として、日本の顧客のグローバル事業を支えている。