日野自動車は4月24日に通期決算説明会を開催、その中で小木曽聡代表取締役社長CEOは、三菱ふそうトラック・バスとの経営統合について「1日でも早く」との希望を述べた。最終契約締結に向けて話し合いを進行していく。
トヨタ自動車グループの日野と、ダイムラートラック傘下の三菱ふそうは、2023年5月に経営統合について基本合意書を締結していた。しかし日野自動車のエンジン認証不正問題によって、統合作業は遅れている。当初は24年3月期中の最終契約締結、24年中の統合完了を目標としていた。
日野の米国市場におけるエンジンの排ガス認証試験および性能の問題については、米国連邦およびカリフォルニア州当局による調査が行なわれていたが、2025年1月、日野は米国司法省との間で刑事和解に、日野および同社の米国子会社は米国当局およびカリフォルニア当局との間で民事和解にそれぞれ至った。小木曽社長は「統合に向けての課題をひとつクリアした」と述べた。
経営統合の理由・目的について小木曽社長は、「CASEの展開、特にカーボンニュートラルの技術開発はトラックメーカーでも重要で、さまざまなパワートレインを用意する『マルチパスウェイ』は乗用車以上に必要だ。とくに大型トラックはBEVではなんともならない。しかしながら、Eフューエル、燃料電池、水素燃焼など、個社ではすべてには対応できない」と危機感を見せつつ説明する。
そして「トヨタ自動車をはじめ日本メーカーは小型車の電動化技術に優れる。いっぽうダイムラーグループは大型車のエンジン技術に優れる。水素技術も研究している。基本合意を締結した際に『千載一遇』といったが、そのフォーメーションは変わっていない」と述べた。開発部門・分野の重複については「1社の間口を狭めることになる」とした。