日産自動車は3月26日、今後の新型車投入予定を公開した。欧州で注目されるのが、新型『マイクラ』の登場だ。2025年にEVとして生まれ変わるマイクラは、ルノーとの協業により生産されるスタイリッシュなコンパクトカーだ。
◆ルノーとの協業により生産されるマイクラ
マイクラは日本でもかつて『マーチ』の名前で販売されていたが、現行型へのモデルチェンジはせずに市場から撤退している。新型マイクラは、「大胆なスタイルとシンプルさを兼ね備えたコンパクトなデザインというDNAを引き継ぐ」と日産は謳う。デザインは、ロンドンにある日産デザインヨーロッパで開発された。
新型マイクラのプラットフォームは、ルノーの『R5』と共有する「アンプRスモール」プラットフォームを使用する。バッテリーは40kWhと52kWhの2種類が用意され、航続は400kmを超える見込み。生産はフランスのドゥエにあるアンプシティ工場で行なわれ、販売は2025年内に開始される予定だ。
マイクラEVの登場は、日産の電動化戦略における重要な一歩となりそうだが、3月26日の時点で日本市場への導入は発表されていない。
◆欧州で電動化攻勢を強化
欧州で日産は、2025年にマイクラと合わせて新型電気自動車3車種を発表し、電動化攻勢を強化する。新型EVのもう1車種は新型『リーフ』だ。新型はSUVテイストを加味したクロスオーバーになる。

2010年に登場したリーフはフル電気自動車として市場の先駆者だ。第3世代となる新型は日産の「CMF-EV」プラットフォームをベースに開発され、イギリスのサンダーランド工場で製造される。この工場は「EV36Zero」プロジェクトの一環として、電動車、再生可能エネルギー、バッテリー生産を統合する拠点となる。
◆第3世代のe-POWERを導入
さらに第3世代のe-POWER技術を搭載したコンパクトクロスオーバー『キャシュカイ』も投入される。2022年に登場したこのハイブリッド技術(シリーズハイブリッド)は、欧州で約20万台を販売した。第3世代e-POWERでは排出ガスの削減、燃費の向上、静粛性の向上が期待される。
来年2026年には、『ジューク』の新型が、やはりEVとして登場する予定だ。この新型車はジャパンモビリティショー2023で発表された『ハイパーパンクコンセプトカー』が市販型のヒントになる。