ヤマハ発動機は、電動推進ユニットとステアリングシステムを統合した新型の次世代操船システム「HARMO(ハルモ)」の国内販売を6月に開始すると発表した。3月20日~23日に横浜市で開催される「ジャパンインターナショナルボートショー2025」で国内初展示をおこなう。
新型「HARMO」は、2024年秋に欧州市場で販売を開始。電動ならではの静粛性や、リムドライブ方式による高効率な電動推進など、従来の「HARMO」の特長を継承しつつ、船体への取り付け方法が一般的な船外機と同様になり、搭載性が向上した。
また、先進的な次世代操船制御システム「HELM MASTER EX」(ヘルムマスターEX)と統合されたことで、ジョイスティックによる直感的な操船性に加え、定点保持やオートパイロットなどの機能も利用可能となり、利便性が大幅に向上している。

「HARMO」は、電動モーターによる推進器ユニットと、動作を制御するリモートコントロールボックスなどで構成された「次世代操船システムプラットフォーム」。乗船者がより楽しく、快適に過ごすことができるスマートパッケージボートの提供を目指して開発された。
ヤマハ発動機は、2022年春に初代「HARMO」の販売を欧州で開始。同時に国内でも小樽市や徳島市の観光周遊船などで実証実験を行いながら知見を蓄積し、国内導入の検討を進めてきた。
今回国内市場へ導入する新型「HARMO」は、これまでの実証実験で得た市場ニーズを反映し改良されている。さらに、クルージングシーンにおいても利便性の高い機能が備わり、搭載性も向上したことで、観光船などの商用利用のみならず、一般のプレジャー用としても利用拡大が期待できるという。

ヤマハ発動機は、2月に発表した「新中期経営計画(2025~2027)」において、これまでの「マリン版CASE戦略」を発展させた統合ボートビジネスによって、さまざまな顧客が楽しめる豊かなマリンライフの実現を目指している。次世代操船システムの導入やコネクテッド技術の活用など、多彩なボート体験を可能にすることで、顧客価値の拡大を目指していく。