エネオス、役員会食時に同行者が飲酒を監視---経営トップの相次ぐセクハラで再発防止策[新聞ウォッチ]

(イメージ)
  • (イメージ)
  • 日産の自動運転サービス
  • ホンダの燃料電池車、CR-V e:FCEV

新年度入りを1か月後に控えて、連日、企業のトップ人事の発表が続いているが、経営首脳による女性に対する不適切行為が相次いで、各方面から集中砲火を浴びているENEOS(エネオス)ホールディングスでは、宮田知秀副社長執行役員が4月1日付で正式に社長に就くと発表した。

◆トップ3人がセクハラ引責

2023年12月に斉藤猛前社長が懇親の場で酒に酔って女性に抱きつくなどの不適切な行為で解任されたため、宮田氏が社長代行を務めていたが、グループ会社を含めて経営トップ3人がセクハラ行為で引責しており、新体制でガバナンスの立て直しを急ぐという。

きょうの各紙もENEOSの社長昇格人事を大きく取り上げているが、その記事の見出しには「エネオス取締役同行者飲酒監視」(毎日)や「会食同行で連座制、役員選任に性格診断」(朝日)などと、トップ人事の発表としては異例のタイトルで報じている。

◆経営層の意識不足、連帯責任

それによると、昇格発表の記者会見で宮田氏は「トップの人権に対する考え方が非常に甘いことが共通しており、不祥事の原因は、経営層の意識不足の問題もある」などと述べて謝罪。再発防止策として、取締役が会食時に飲酒しすぎていないか、同行者が監視するルールを新設。取締役が会食の場でハラスメントを起こした場合には、同席・同行した者も連帯責任を負うようにしたという。

また、取締役としての自覚を促すために、定期的に360度評価を行うほか、今回から社長の資質に「確固たる倫理観」を加えたとも伝えており、新社長の選定にあたり、ウェブテストによる性格診断を実施。第三者機関が候補者をインタビューし、ハラスメントやアルコールリスクがあるかも分析したという。

つまり、飲酒を伴う会食では、飲みすぎて羽目を外すなということのようだが、若い学生諸君などが無礼講で大騒ぎするコンパでもないだろうから、立派な社会人として自覚さえを持っていれば、女性への不適切行為で辞める事態にはならなかっただろう。

2024年2月29日付

●エネオスHD社長に宮田氏、相次ぐセクハラ、連座制で再発防止(読売・8面)

●いすゞ満額回答、月1万9000円賃上げ(読売・9面)

●アップル、EV開発断念、市場伸び鈍化、AIに注力(朝日・6面)

●出荷停止の解除受け、3月、トヨタ国内工場4日に全面再開、ダイハツ3車種18日に生産再開(朝日・6面)

●社説、物流運転手の待遇改善、不合理な慣行見直しを(毎日・5面)

日産が自動運転新サービス発表、27年度開始(毎日・6面)

●トヨタ回答示さず、春闘労使協議会(東京・6面)

●損保4社、政策保有株ゼロ、段階的に売却、計6.5兆円(日経・1面)

●スズキ、安さ・個性・配分の妙、人事・開発全社に浸透(日経・17面)

燃料電池車、外部充電OK、ホンダがSUV、日常使いに、水素使わず60キロ走行(日経・17面)

《福田俊之》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集