【スーパーフォーミュラ 第7戦】野尻智紀が復活のポールトゥウィン…チャンピオンシップは宮田莉朋が首位奪還

ポールトゥウィンを飾った#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)
  • ポールトゥウィンを飾った#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)
  • 優勝した野尻智紀(左)とTEAM MUGENの田中洋克監督(右)
  • 表彰式
  • 2位の#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
  • 3位の#53 大湯都史樹(TGM Grand Prix)
  • 4位のランキングトップの#37 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)
  • 6位の#4 小高一斗(KONDO RACING)
  • 7位の#7 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)

栃木県・モビリティリゾートもてぎで20日、スーパーフォーミュラ第7戦の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートした#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)がポールトゥウィンを決めた。

前日に行われた公式予選では、#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が5戦ぶりとなる今季3度目、キャリア16度目となるポールポジションを獲得。病気で第4戦を欠場してから調子が上がらずランキング3位に落ちていたが、ここで復活の狼煙を上げた。予選2番手はルーキーの#6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。第6戦で自身最高の予選3番手を記録し、第7戦ではさらに1つ順位を上げてきた。予選3番手はここまで3勝を挙げているルーキーの#15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)。これで予選ポイント「1」を追加し、#37 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)の87ポイントに並び、勝利数でランキングトップに躍り出た。対する宮田は予選8番手。ランキング争いでは厳しいポジションからのスタートとなった。

決勝レースは37周。雨が近づく予報があったものの、ドライコンディションでレースはスタートした。フロントローの太田がスタートできず、3番グリッドのローソンが1コーナーでポールポジションスタートの野尻に襲いかかった。2台は並んだまま2コーナーを立ち上がったが、ローソンはたまらずコースアウト。そしてスピンしながらコースに戻ってきた。これで後続の車両は大混乱。5番グリッドスタートの#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がローソンに接触し宙を舞い、9番グリッドスタートの#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も宙を舞いながらコースサイドに落下した。このクラッシュを避けた#50 松下信治(B-Max Racing Team)もコースサイドに止まったマシンに接触し、関口、牧野、松下の3名はこれでリタイヤとなった。

なお、関口、松下はすぐにマシンを降り自力で歩いていたが、牧野がコックピットから出てこず心配された。しかしその後、「腰を痛めたが意識はハッキリしており、会話も普通にしている」との情報が寄せられた。

このアクシデントでレースは赤旗中断。傷を負っていないマシンはホームストレートに並んで停止した。ローソンのマシンはリア部分が損傷しており、自力で走行したもののピットイン。マシンの修復を行った。

宮田はスタートがうまく行かず17位にダウン。太田は18位、そしてローソンはピットスタートとなった。上位は野尻のトップは変わらず、2位に4番グリッドスタートの#53大湯都史樹(TGM Grand Prix)、3位に7番グリッドスタートの#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、4位に6番グリッドスタートの#7 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、以下#64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、#65 佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)、#3 山下健太(KONDO RACING)、#39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)のオーダー(トップ8)になっていた。

リスタートは2周目からセフティーカー先導で行われ、4周目からバトルが再開した。トップの野尻は徐々に2位以下を引き離す展開に。2位大湯、3位平川、4位小林は僅差でのバトルとなった。義務付けられているタイヤ交換は10周終了時点から行えるが、この周で2位大湯がピットイン。4位小林はその翌周にピットイン。野尻と平川はこのタイミングでのタイヤ交換は行わずステイアウトした。

ペースがよく、初優勝も期待された小林はタイヤ交換に間取り大きく後退。大湯はタイヤ交換終了組トップの8位でコースに戻り、トップの野尻とは約30秒の差となった。

24周目、トップの野尻がピットイン。大湯の前でコースに戻ったがその差は1.6秒となっていた。その翌周に平川がピットイン。こちらはタイヤ交換にて間取り、野尻、大湯の後ろでコースに復帰し、早目にタイヤ交換を行った山本も迫ってきた。平川はなんとか山本を抑えようとしたが、90度コーナーで2台は接触。平川はスピンを喫し、山本が前に出た。しかし山本のタイヤは接触のダメージで空気が抜け、1コーナーを曲がれずコースアウト。これでリタイヤとなった。

トップを走る宮田は28周目にピットインを行い、これで全車タイヤ交換義務が完了。野尻がトップに戻り、その5秒後に大湯、さらに5秒後方に平川となった。宮田はスタート直後に17位まで順位を落としていたが、平川の4秒後方の4位でコースに復帰。タイヤ交換を遅らせる作戦が功を奏し、大きく順位を上げることに成功した。

その後、野尻は後続との差を広げトップでチェッカー。ポールトゥウィンで今季2勝目、そしてスーパーフォーミュラ歴代トップとなる通算10勝目を飾った。

2位はタイヤ交換でのタイムロスや、接触・スピンをものともせず走りきった平川。3位は大湯。そして宮田が4位でチェッカーを受けた。これによりチャンピオンシップは宮田が94ポイントとなり予選でローソンに奪われたランキングトップの座を奪い返した。13位に終わりノーポイントとなったローソンが86ポイントの2位。そして3年連続チャンピオンを目指す野尻が大きく稼ぎ、宮田と10ポイント差の3位となった。

次戦は今シーズン最終ラウンド。鈴鹿サーキットを舞台に10月28日に第8戦が、29日に最終戦となる第9戦が開催される。

■スーパーフォーミュラ第7戦もてぎ 決勝レース結果

1. #1 野尻智紀(TEAM MUGEN)
2. #20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
3. #53 大湯都史樹(TGM Grand Prix)
4. #37 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)
5. #39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
6. #4 小高一斗(KONDO RACING)
7. #7 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)
8. #14 大嶋和也(docomo business ROOKIE)
9. #3 山下健太(KONDO RACING)
10. #18 国本雄資(Kids com Team KCMG)
11. #55 ジェム・ブリュクバシェ(TGM Grand Prix)
12. #36 笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)
13. #15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)
14. #12 福住仁嶺(ThreeBond Racing)
15. #51 ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)
16. #65佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)
以上完走

--. #64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)
--. #6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
--. #38 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
--. #19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
--. #5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
--. #50 松下信治(B-Max Racing Team)

《藤木充啓》

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