[車内エンタメ充実]トヨタ車純正ディスプレイオーディオで“高音質”を楽しむには?

トヨタ・プリウスの室内。
  • トヨタ・プリウスの室内。
  • 「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(ヘリックス・M-SIX DSP.)。
  • 「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(マッチ・M-5.4DSP.)。

ドライブの充実度を上げるためには、エンタメ環境の整備も不可欠だ。当特集では、その実行方法をケーススタディ的に紹介している。今回は、トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車にて“良い音”を楽しむためのシステムアップ術を説明する。

トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車では、スピーカー交換がしにくい!?

トヨタ車純正ディスプレイオーディオには利点がある。その一方で一般的な純正カーオーディオシステムとは異なる点があり、エンタメ環境をより充実させようと思ったときにアプローチ法が変わってくる。

というわけでまず前回は、映像系コンテンツを楽しめるようにするための方法を説明した。今回はそれに引き続き、リスニング環境の整備法について解説していく。

ところで、車内のリスニング環境を向上させようと考えるドライバーの多くは「スピーカー交換」を検討する。しかしトヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車では、その作戦から入らない方が良い場合が多い。

というのは、システム内にて「プロセッサー」が組み込まれていてあらかじめサウンドチューニングが施されているケースが多いからだ。そうであると純正の各スピーカーのところには制御が終わった後の信号が送られてくることとなるのだが、その制御方法が交換するスピーカーに合わず、結果スピーカーの性能を十分に引き出せなくなるという問題が起きがちだ。特に音楽信号の帯域分割のさせ方は、スピーカーによって最適な方法が変化する。ゆえにあらかじめ施されている設定では、交換するスピーカーにマッチしないことが実に多い。

「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(ヘリックス・M-SIX DSP.)。「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(ヘリックス・M-SIX DSP.)。

あらかじめ施されているサウンドチューニングを一旦反故にできれば、状況が好転!

そしてそのサウンド制御の設定は、後から変更できないようになっている。なので、交換するスピーカーに対して最適なチューニングを行えず、さらにいえばオーナーの好みのサウンドにも変更できない。

というわけでトヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車では、あらかじめかけられているサウンド制御を一旦ニュートラルな状態に戻しその上で新たにサウンド制御を行えるようにすることが、良い音を楽しむために最初にすべきこととなるケースが多い。

それを可能とする機器がある。それは、「パワーアンプ内蔵DSP」だ。「パワーアンプ内蔵DSP」とは、サウンドチューニングを行うための「デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)」とパワーアンプとが一体化したユニットで、これを使えば自在に高度なサウンドチューニングを行えるようになる。

そしてその中には、純正のスピーカー出力を入力すると制御されていた音楽信号を一旦ニュートラルな状態に戻せる機能が搭載されているものがある。そうであれば、純正のサウンド制御を一旦反故にしてその上で好みのサウンドを作り出せるようになるのだ。

ただし、その取り付け作業は難易度がかなり高い。というのも、トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車はシステムが複雑で、さらには緊急通信機能等の特別な仕組みも搭載されている場合には、やり方を間違えるとそういった機能が使えなくなる。なので「パワーアンプ内蔵DSP」の取り付けは、ノウハウのある専門店に任すべきだ。プロなら取り付けからサウンドチューニングまでを的確に行える。

「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(マッチ・M-5.4DSP.)。「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(マッチ・M-5.4DSP.)。

音にこだわるなら、スマホのダイレクト接続が吉と出る!

ところで「パワーアンプ内蔵DSP」を使う場合、ディスプレイオーディオのスピーカー出力をそれへと入力して使うこととなるので、ディプレイオーディオはそれまでと同じようにソースユニット(音楽プレーヤー)として機能する。つまり使い心地は変わらずに、しかし音はぐっと良くなる。

しかし、そこからもう1ランク音を良くする方法もある。それは、「スマホをダイレクトに繋ぐ」というものだ。通常は、スマホを純正ディスプレイオーデイオに繋げてそれを介して音楽を聴くこととなるのだが、スマホを「パワーアンプ内蔵DSP」にダイレクトに繋ぐと、音楽信号の流れをシンプル化できる。結果、音が良くなる。

ただ、操作性は落ちる。曲送り等の選曲操作をスマホの画面上で行うこととなるからだ。しかし、「プレイリスト」に好きな楽曲を大量に入れてそれをランダム再生するようにすれば、曲送り等の操作は行わなくてすむ。そのような使い方をすると、快適に高音質で好きな音楽ばかりを楽しめる。こういった工夫をしながら、操作性を重んじる場合と音質にこだわる場合とで使い分けると、音楽を聴く楽しさがさらに深まる。

今回は以上だ。次回以降も車内エンタメ環境の向上法を解説していく。乞うご期待。

《太田祥三》

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