フィスカー(Fisker)は5月9日、新型EVのフィスカー『PEAR』の生産を2025年に開始すると発表した。米国ベース価格は2万9900ドル(約407万円)。5月8日の時点で、6000台の予約を獲得しているという。
◆『オーシャン』に続くフィスカー第二弾は小型EV
PEARは、『オーシャン』に続くフィスカーの2番目の市販モデルになる。PEARとは、「パーソナル・エレクトリック・オートモーティブ・レボリューション」の略だ。フィスカーによると、PEARはデザインやインテリアの機能性、コネクティビティなどのユーザーエクスペリエンスの面で、新基準を標榜。独自のデザインと革新性を備えている、と自負する。
また、PEARは、コンパクトな5人乗りの都市型EVになる。コンセプトは、「アジャイルなアーバンEV」だ。持続可能性やテクノロジー、デザインをデジタル接続させ、PEARに融合する。直感的なコントロール、スポーティな走行性能、豊富なストレージスペース、そして自動車業界初の装備を採用するという。
フィスカーPEARの現地ベース価格は2万9900ドル。フィスカーの最初の市販車、電動SUVのオーシャンの米国でのベース価格は、3万7499ドル(約510万円)。このオーシャンと比較すると、PEARはリーズナブルな価格を実現したという。
◆シャープの親会社で「iPhone」の生産を請け負うフォックスコンと共同開発
フィスカーはPEARの開発にあたって、フォックスコン・テクノロジー・グループ(鴻海科技集団)と提携を結んだ。両社は、次世代EVを開発・生産するプロジェクトで協力していく。
フォックスコン・テクノロジー・グループは、台湾に本拠を置く。Apple社の「iPhone」の生産を請け負っており、シャープの親会社としても知られている。両社の提携では、共同で新しいセグメントの次世代EVとして、PEARを共同開発する。さらに、両社は提携を生かして、PEARをフォックスコン・テクノロジー・グループで生産する。
フィスカーのヘンリック・フィスカーCEOによると、PEARは美しくデザインされた手頃な価格の都市型モビリティで、最新のテクノロジーを搭載しており、ラインナップを拡大することは、フィスカーにとってエキサイティングという。
◆生産開始当初は年間で25万台以上を組み立てる計画
フィスカーとフォックスコン・テクノロジー・グループは提携に基づき、共同でPEARのプロジェクトに投資する。また両社は、新しい軽量プラットフォームの「FP28」を共同開発していく。
さらに両社は、PEARのプロジェクトを推進するために、米国と台湾にプログラムマネジメントオフィスを設立した。プログラムマネジメントオフィスが、設計、エンジニアリング、購買、生産に関する業務を調整する。
フィスカーPEARは米国オハイオ州で生産され、当初は年間で25万台以上の生産を目指している。北米、ヨーロッパ、中国、インドを含むグローバル市場への投入を計画している。米国オハイオ州の生産拠点の場所を決定した後、両社は2025年、PEARの生産を開始する計画だ。