BYDは上海モーターショー2023にて、発売間近のBEVコンセプトカー『宋L』(Song L)とPHVセダンの『駆逐艦07』(Chaser・Destroyer 07)をワールドプレミアしたほか、BEVコンパクトカー『海鴎』(Seagull、カモメ)の販売を開始した。

年内に量産モデルが発売と報道される宋Lは、外観デザインはスポーティーでファッショナブルな都市型のSUVで、若年層をターゲットとしていることが分かる。フロントは、「龍の顔」(会場内スタッフの説明)にもとづいてデザインされ、横広な中でも上下の凹凸感を出して躍動感を表現している。また、カーボン装飾を多用しており、運動性能の高いイメージを受ける。リアは、「(中国の)結び目式のライトを設計」(同)した。プラットフォームは新型のeプラットフォーム3.0、動力バッテリーはCTB(Cell to Body)技術によって車体と一体化し、駆動系は四輪駆動で、クラウド通信の車体制御システムを備えているという。
駆逐艦07は、BYDの既存車種の中間を埋める「B+」セグメント(中大型車)として誕生した。このセグメントではBYD初のPHVモデルで、今年の第3四半期にラインオフし、価格帯は20~25万元程度だと報道されている。車長は4980mm、ホイールベースは2900mmと程よい大きさで、外観は宋Lとは異なり、非常にシャープな印象を受ける。リアは、宋Lと同様に一直線のテールランプを採用している。エンジンは1.5リットルクラスで、EV走行は121~200km(グレードによる)の航続距離だという。

コンパクトの海鴎も注目を集めている。その価格帯は7万8800~9万5800元(157万6000~191万6000円、1元=20円換算)で予約販売をスタートさせた。フロントデザインは「カモメのイメージを表現し、若い活力と科学技術の質感を持ち合わせている」(同)という。バッテリーはBYD独自開発のブレード電池を搭載しており、航続距離は305~405km(グレードによる)に達する。価格帯から「お得感がある」(同)のではないかと思われる。

今回のモーターショーでBYDは、BYDブランドと、同社初の高級ブランド「仰望」(YangWang)、メルセデスベンツとの合弁ブランド「騰勢」(DENZA)の3つのブースを構えている。小型車からMPV、SUV、電動スーパーカーまでを揃えるフルラインナップの商品数と、それぞれが独自開発の最新技術を搭載していることが特徴的で、見応えのあるブランド展開を行っている。
