マニアックな周辺機器を紹介! その使い道とは…キーワードから読み解くカーオーディオ

「D/Dコンバーター」の一例(オーディオテクニカ・AT-HRD500)。
  • 「D/Dコンバーター」の一例(オーディオテクニカ・AT-HRD500)。
  • 「ラインドライバー」の一例(オーディオコントロール・OVERDRIVE Plus)。
  • 「D/Dコンバーター」の一例(オーディオテクニカ・AT-HRD500)。
  • 「D/Dコンバーター」の一例(オーディオテクニカ・AT-HRD500)。
  • 「D/Dコンバーター」の一例(オーディオテクニカ・AT-HRD500)。

カーオーディオを嗜むと、専門用語に度々出くわす。当連載ではそれらの意味を1つ1つ詳しく解説している。今回はマニアックな周辺アイテムにスポットを当て、それぞれの用途や利点を説明していく。

◆「ラインドライバー」という機器がある。さて、その用途とは…

まずは、「ラインドライバー」というワードについて解説していく。これが何なのかを簡単に説明すると以下のとおりだ。「メインユニットのプリアウト出力の信号を昇圧する機器」だ。

このような機器が必要となるのは「外部パワーアンプ」を使う場合だが、どのような目的で使われることになるのかというと……。

順を追って説明していこう。まず「外部パワーアンプ」とは、「メインユニット」等から出力される音楽信号を入力し、それをスピーカーを駆動できるレベルにまで増幅する機器だ。で、これを使う場合には必ず、「ゲイン調整」を行うこととなる。

なお「ゲイン」とは、「入力感度」だ。そしてこの設定は、「外部パワーアンプ」の性能を発揮させるためにとても重要な役割を果たすこととなる。というのも、「入力感度」を上げすぎると信号を取り込む段階で音楽信号が歪んでしまう。そうなったら、いかなる高級「外部パワーアンプ」でも、高音質再生は行えない。

逆にゲインを絞りすぎるのもNGだ。例えば、使用している「外部パワーアンプ」が信号を「10」の大きさまで増幅する力があったとしよう。しかし取り込むときの信号レベルを半分に絞ってしまうと「5」までしか信号を増幅できなくなる。つまり、「外部パワーアンプ」の能力の“美味しいところ”まで使い切れなくなってしまうのだ。

「ラインドライバー」の一例(オーディオコントロール・OVERDRIVE Plus)。「ラインドライバー」の一例(オーディオコントロール・OVERDRIVE Plus)。

◆「ラインドライバー」を使うと、「ゲイン」を絞れる!?

で、「ラインドライバー」を使うと、この「ゲイン調整」の設定を変えられる。「ラインドライバー」は、「メインユニット」と「外部パワーアンプ」との間に組み込まれることとなるのだが、これにて「メインユニット」の「ライン出力」を受けその信号をある程度昇圧しそれを「外部パワーアンプ」に入力すると……。

そうすると「ゲイン調整」を“絞る方向”で設定できるようになる。入力される信号そのものがある程度大きくなっているからだ。結果、「外部パワーアンプ」の再現性が上がる。“美味しいところ”が広がるからだ。「ダイナミックレンジ(小さい音と大きな音との音量の差)」が広がったり、ノイズ感が減ったりするのだ。

なので「ラインドライバー」は、かつてはサウンドコンテストに出場するような音にこだわる車両にてよく使われていた。特に「ライン出力」の電圧が低い「メインユニット」と組み合わせると力を発揮した。

ただし、信号が通過する機器の数を増やさない方が良いという考え方もあり、また昨今の「メインユニット」や「プロセッサー」の「ライン出力」の電圧は以前と比べて高くなっている傾向もある。なので「ラインドライバー」が用いられるケースは減ってきた。しかし、音を良くしようと思った際には、これを使うという選択肢も有り得ている。覚えておこう。

「D/Dコンバーター」の一例(オーディオテクニカ・AT-HRD500)。「D/Dコンバーター」の一例(オーディオテクニカ・AT-HRD500)。

◆ハイエンドシステムでは、「D/Dコンバーター」が使われることもある。この用途とは…

続いては、「D/Aコンバーター」と「D/Dコンバーター」というワードについて解説していく。まずこれらが何なのかというと以下のとおりだ。前者は「デジタル信号をアナログ信号へと変換する機器」で、後者は「デジタル信号をデジタル信号に変換する機器」のことをいう。

なお「D/Aコンパーター」は、デジタル信号を読み取りアナログ信号を出力する機器には基本的に組み込まれているので、カーオーディオでは外付けの「D/Aコンバーター」が使われることはほとんどない。

対して「D/Dコンバーター」は、ハイエンドシステムでは案外使われている。というのも、ハイエンドシステムでは「デジタルオーディオプレーヤー(DAP)」が使われることが多いのだが、それを「デジタルシグナルプロセッサー(DSP)」に繋ごうとするとき、デジタル入出力端子のタイプが合わないことがある。デジタル端子のタイプは主には3種類あり機器によりどれが採用されているか異なっている。しかし「D/Dコンバーター」を使えば、端子のタイプを変換できる。

というわけで「D/Dコンバーター」は、信号そのものを変えるものではなく端子を変換するためのもの、という色彩が濃い。

今回は以上だ。次回も難解なワードの解説を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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