シトロエン ベルランゴ ロングにプチ試乗、大柄ボディでも予想外の乗りやすさ

シトロエン ベルランゴ ロング
  • シトロエン ベルランゴ ロング
  • シトロエン ベルランゴ ロング
  • シトロエン ベルランゴ ロング
  • シトロエン ベルランゴ ロング
  • シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)
  • シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)
  • シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)
  • シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)

◆打倒カングーへ強力な7人乗りが日本上陸

フランスで長く親しまれているジャンルに、フルゴネットがある。乗用車の後部を箱型の広い荷室に改修した、ライトバン的なスタイルだ。日本でも1990年代頃には、商用車や軽自動車に同種のモデルが存在したが、シトロエンは1951年に『2CV』ベースのフルゴネットを発表している。

近年は乗用ユースを重視し、ルドスパス(遊びの空間)と呼ばれるジャンルへ発展。それを日本で知らしめたのが、ルノー『カングー』。そしてそのライバルとなるのが、シトロエン『ベルランゴ』だ。

シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)

2019年に日本市場へ導入された3代目ベルランゴは、発売記念モデルのデビューエディションが瞬く間に完売。現在ではシトロエンの日本向け販売台数の約半数を占める人気モデルとなっている。

この好評ぶりを受け、2023年1月に追加導入されたのが『ベルランゴ ロング』だ。3サイズは4770×1850×1870mmで、標準ボディより365mm長く20mm高い。ホイールベースは、+190mmの2975mm。車両重量は60kg増の1660kgだ。

シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)

スタイリングのデザイン要素や、ガラスハッチを独立開閉できる上開きリアゲートなどの実用装備は標準ボディと共通だが、スライドと脱着が可能な3列目シートが加わり7人乗りに。この3列目は左右独立でシート間のスペースがあるので、リアゲートからの乗降も可能だ。

また、サンルーフとルーフストレージを廃し、室内アレンジの自由度も増している。室内空間は約27%拡大し、最大荷室容量は標準ボディ比567リットル増の2693リットル、最大積載長は350mm長い3050mmだ。

パワートレインは標準ボディ同様、130ps/300Nmを発生する1.5リットル直4ディーゼルに8段ATの組み合わせで、前輪駆動のみの設定。タイヤサイズはベースグレードのシャインが205/60R16、シャインXTRパックが205/55R17だ。

シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)

XTRパックは、前後バンパーのアンダーガード風デコレーションがSUV風。内外装のアクセントはオレンジ色で、フロントドアバッジ、専用パターンのシート柄やドアトリム、グリーン系のダッシュボードを備える。

ボディカラーはXTRパックがブランイシ/グリアルタンス/グリプラチナムの3色、シャインはディープブルーを加えた4色。価格は443万3000円~455万4500円となっている。

◆力強い加速と絶妙なしなやかさ

シトロエン ベルランゴ ロングシトロエン ベルランゴ ロング

2月3~5日には東京・立川でデビューイベントを実施。その際、短時間ながら試乗する機会に恵まれた。日本製Dセグメントミニバンと同等の全長に100mmほど広いボディサイズゆえ、室内空間はかなりのゆとり。そのぶん小回りは苦手かと思いきや、タイトな駐車場内でも取り回しは苦にならない。

路上に出ても、いい意味で予想を裏切ってくれる。1.7トン弱のウェイト+3名乗車だったが、加速は1.5リットル直4ディーゼルとは思えないほど力強い。また乗り心地は上々。突き上げるようなアシの硬さはなく、しかし急な車線変更を試しても重心の高い車体が揺すられるほど柔らかくもない、絶妙なしなやかさだ。

◆商用車ベースと侮るなかれ

ステアリング操作への反応に、気になるような遅れは感じられない。ブレーキの効きはよく、またそれを強めに踏んでもピッチングが出ないのがまたみごとだ。当たりはソフトながらほどよく身体を支えてくれるシートも、快適さに寄与している。とにかく、商用車ベースならこの程度だろうというマイナスの先入観が、乗るほどにことごとく打ち砕かれるのだ。

シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)シトロエン ベルランゴ ロング(シャインXTRパック)

扱いやすいダイヤル式ATセレクターや、わずかな余地も見逃さない収納スペースなど、使い勝手にも優れる。高級志向の和製ミニバンと比較するとインテリアが質素に感じるかもしれないが、そこに遊び心や親しみを見出せると、幸せなカーライフが送れそうな予感に満ちたクルマだ。

《関耕一郎》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集