ルネサス、新開発のインテリジェントパワーデバイスやゲートドライバICを公開…オートモーティブワールド2023

インテリジェントパワーデバイス(IPD)「RAJ2810024H12HPD」
  • インテリジェントパワーデバイス(IPD)「RAJ2810024H12HPD」
  • インテリジェントパワーデバイス(IPD)「RAJ2810024H12HPD」解説図
  • ゲートドライバIC「RAJ2930004AGM」
  • ゲートドライバIC「RAJ2930004AGM」解説図
  • 単眼カメラで自己位置を推定し、障害物も検出するフロントカメラソリューション
  • フロントカメラソリューションの処理を司るのが左下の「R-Xar V4H」
  • ADASおよび自動運転向け「ミリ波レーダソリューション」。複数のセンサーを使うことでセンシング能力は向上する
  • 低消費電力を特徴とする高性能レーダトランシーバ「RAA270205」を組み込んだヌルはレーダー用ボード

ルネサスエレクトロニクスは新たにシングルチャネルのインテリジェントパワーデバイス(IPD)やゲートドライバICを開発し、オートモーティブワールド2023にて初出展した。

インテリジェントパワーデバイス(IPD)「RAJ2810024H12HPD」

IPD「RAJ2810024H12HPD」は、小型のTO252-7パッケージを採用したことで、従来のTO263パッケージの製品に比べて実装面積を約40%削減することに成功した。また、高度な電流検出機能により、過電流などの異常電流を高精度に検出する特徴も持つ。特に少量の電流を流す低負荷時でも異常電流の検知が可能となるため、小さな異常も見逃さない安全なシステム構築が可能となるという。

従来の分散型E/Eアーキテクチャでは、バッテリーからの電源をメカニカルリレーとヒューズで構成する電源ボックスから、太く長い配線を経由して各ECUに電力を分配していた。IPDを使うことで、メカニカルリレーに比べて寿命が長くメンテナンスフリーというメリットが活かせる。しかも車両のどこにでも配置できるため、今後の中央集中型あるいはゾーン型のE/Eアーキテクチャにおいて、細く短い配線で柔軟に電力ネットワークを構築できるようになるのだ。これは高効率かつ安全性の高さでもメリットがあるという。

ゲートドライバIC「RAJ2930004AGM」

ゲートドライバIC「RAJ2930004AGM」

もう一つがゲートドライバIC「RAJ2930004AGM」だ。低電圧ドメインで動作するインバータ制御マイコンからの制御信号を受け、内蔵のアイソレータを介して、高電圧のパワー半導体を駆動する役割を果たすのが特徴となる。


《会田肇》

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