日産、ルノーと20年越しの「不平等条約」解消で合意[新聞ウォッチ]

日産自動車グローバル本社(横浜市)
  • 日産自動車グローバル本社(横浜市)
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「苦節十年」とはよく言うが、その倍以上の20年越しで耐え忍んできた “不平等条約”が、ようやく解消される見通しとなった。

日産自動車と仏ルノーが、ルノー保有の日産株比率下げやルノーが設立する電気自動車(EV)新会社への出資などで合意すると発表。ルノーの日産への出資比率を約43%から15%に引き下げ、資本関係を対等にするのが狙いで、両社の取締役会決議を経て最終合意するという。

共同声明では「協議が重要なマイルストーン(節目)を迎えた」と強調。ルノーが欧州で新設するEVとソフトウェアの新会社「アンペア」(仮称)に日産が出資することも明記している。両社は2月6日にも英ロンドンで合意内容を発表する方向で調整を進めており、ルノーは28.4%の日産株をフランスの金融機関に信託。議決権を行使せず、段階的に売却するとみられる。

きょうの産経、日経が1面トップ記事で「日産・ルノー対等出資合意、相互15%、EV新会社で連携」などと報じているほか、各紙も1面、経済面などにも「日産20年越しの『対等』、議決権なし解消」(読売)とのタイトルで「1999年に経営危機に陥った日産が事実上ルノー傘下となって以降、いびつな形が続いてきた関係は大きな転換点を迎える」とも。

◆規模拡大路線は岐路に

また、日経も社説のテーマに取り上げたほか、関連記事として「車提携、規模拡大に岐路、日産-ルノー、電動・ソフト対応急ぐ」(日経)との見出しで「車大手の提携は従来の単純な規模拡大路線が岐路に立ち、EVやソフトウェアで競争するための緩やかで多様な連携がカギになる」などと伝えている。

日産の株価は検査不正問題や“ゴーン逮捕”などの不祥事続きで急落。年明け後も450円前後で推移しており、20年越しの不平等条約の解消で投資家などの反応も気になるところだ。

2023年1月31日付

日産・ルノー出資15%、最終合意へ、資本対等共同声明(読売・1面)

●社説・トヨタ社長交代、自動車の変革期に挑む若返り(読売・3面)

●トヨタ労組、一時金6.7カ月要求へ(読売・7面)

●自工会会長を豊田氏辞任へ(読売・7面)

●パイロット資格取得3か月短縮(朝日・9面)

トヨタ3年連続首位、世界販売台数 半導体不足影響続く(朝日・9面)

●電鉄系百貨店どこへ行く? 渋谷・東急本店きょう閉店、小田急・京王も建て替え入居未定(朝日・9面)

●国内車生産4年連続減、昨年738万台、部品不足が長期化(産経・11面)

●社説・日産・ルノーは新たな時代を切り開けるか(日経・2面)

●水素の常温輸送実用化へ、ENEOS、25年度にも大型装置(日経・15面)

●日本板硝子も細沼社長発表、車ガラス、収益改善意欲(日経・15面)

《福田俊之》

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