新型コロナ、半導体など原材料不足による生産計画の見直し、日米の金融政策に対する思惑から乱高下する円相場などに振り回された日本の自動車業界。株価面でも極端な動きを続けているが、2023年はどのような動きになるかを探った。
日銀の金融政策・円相場
10年間その座にあった黒田東彦日銀総裁が、4月8日任期満了を迎える。自動車各社の業績、株価ともに円相場の動向抜きには語れない状況になっており、日銀の金融政策が円相場の最大の変動要因になっているだけに、後任の総裁人事が注目を集めてくるのは間違いない。
2022年初頭から日米金利差の拡大を受けて円安が進行し、円相場は年初1ドル=110円台から夏場には150円台へと下落した。しかし、米国の引き締め政策が峠を越したとの読みから円相場が反転。特に、12月20日に緩和一辺倒だった日銀が金融政策の修正を発表したことで、急激に円が反発した。