CAD+ゲームエンジン+AIで進む自動運転開発…オートモーティブワールド2023

シリコンスタジオが用意した道路素材データの数々(Unreal Engine 4の市街地アセット)。ゲーム世界を作るように実際の道路環境を再現し、3D CADやシミュレーターに統合できる
  • シリコンスタジオが用意した道路素材データの数々(Unreal Engine 4の市街地アセット)。ゲーム世界を作るように実際の道路環境を再現し、3D CADやシミュレーターに統合できる
  • ただの画像合成ではなく、3Dモデリングされた車両をシミュレーターの任意の仮想空間に配置して陰影、デザインを正確にレビューできる
  • 3D CADシステムCATIAに取り込まれた車両の3Dモデル。VRレビュー、操作も可能
  • CATIA、ゲームエンジンの組み合わせは、自動運転・ADASのシミュレーター開発(HILS)以外に高度なデザインツールとしても活用
  • ゲームエンジンならではの機能で、設計やADASシミュレーションを現実に近づける
  • NVIDIA H100:Tensor コア搭載のAIプロセッサ
  • アルゴグラフィックス、NVIDIA、シリコンスタジオの共同ブース(オートモーティブワールド2023)

オートモーティブワールド2023のアルゴグラフィックス、NVIDIA、シリコンスタジオの共同ブースでは、GPUの展示、3D CADによるデザイン・設計ソリューション、自動運転開発向けのドライビングシミュレーターに組み込んで使用することも可能なUnreal Engine 4の市街地アセット等の展示を行っていた。

アルゴグラフィックスはダッソーシステムの3D CAD、CATIAを使ったソリューションベンダーだ。NVIDIAは画像処理のためのグラフィックプロセッサ(GPU)、グラフィックボードのメーカーだが、近年は機械学習用のAIプロセッサのトップベンダーでもある。シリコンスタジオはCGコンテンツやゲームエンジンを活用したコンテンツを得意とする会社だが、この分野は現在製造業、建設業他のソリューションとしても活用されている。

自動車業界でわかりやすいのは自動運転技術の開発だ。自動運転やADAS技術の開発には3Dシミュレーターが不可欠だ。というのは、カメラやセンサー情報の処理にAI(機械学習)を利用するため、大量な走行実験か走行データが必要だ。あらゆる走行条件の再現はシミュレーターがなければ現実的ではない。すべての道路であらゆる条件の走行を試すことはできない。実走行は欠かせないが事故データの学習もCGシミュレーターがなければほぼ不可能だ。

実際の道路環境を再現する、シミュレーターには実はゲームエンジンの技術が有用だ。


《中尾真二》

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