Epic Gamesは「Automotive Summit Japan 2022」を9月7日・14日に開催。その中から、トヨタとデンソーにおけるゲーム制作ツール「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」の活用事例をまとめました。
◆スピーディなxRコンテンツ制作で仕様検討を助ける
トヨタ自動車 開発試作部モビリティ先行技術室に所属する西村吉生氏のセッションは、同組織の成り立ちから始まりました。
「モビリティ先行技術室では2017年よりxRチーム・xRセンターを立ち上げ、現在はCG動画をはじめVR、AR、MRのほか、簡易的なドライビングシミュレーターや制御を可視化するコンテンツを最短即日から2週間程度での提供、あるいはアジャイル的に1~2週間刻みでバージョンアップしながら提供していくようなライトコンテンツを提供しています」(西村氏)
このスピード感を支えているのがコンテンツ制作の自由度の高さや、質の高いグラフィックス、ビジュアルスクリプティングによる馴染みやすさをもつUnreal Engine。xRチーム・xRセンターが手掛けるコンテンツ制作の主力ツールの1つだそうです。
移動に新たな価値が生まれないかを検証中の低速相乗り車両のラウンドパレットの利用シーンは、空港での使用イメージを動画にしています。この空港のデータはUnreal Engine マーケットプレイスから取得したアセットとのこと。
「雪道、橋、スーパーマーケット、あるいはメタヒューマンクリエイターで制作したオリジナルの人物などのアセットを利用することで、コンテンツ作りの納期短縮・品質向上をしています」(西村氏)

物流の現状と改善案のイメージを制作したときもUnreal Engineが活躍します。
「CG専用ソフトでは、フォークリフトの車体・タイヤ・リフト・貨物それぞれの動きのタイミングを合わせるのに細かな配慮が必要ですが、Unreal Engineにてゲームコントローラーで操作できるリアルタイムシミュレーションを作成し、キャプチャー動画にすることで大幅な効率化になりました」(西村氏)