国土交通省は8月22日、日野自動車に対する立ち入り検査で新たな不正を確認するとともに、引き続き日野に対する調査を実施して結果に基づき、厳正に対処すると発表した。
国土交通省は8月2日に日野が型式指定に関する排出ガス・燃費性能試験での不正に関して報告を受け、報告内容の事実関係を確認するため、日野に対して8月3日以降、断続的に立入検査を実施してきた。立入検査の中で、生産している小型トラック・バス用エンジンの型式指定申請での試験で、8月2日の日野からの報告にはなかった不正を確認した。
日野は現行生産のトラック・バス用エンジン全7機種の型式指定申請で、長距離耐久試験を実施して算出した排出ガス劣化補正値を提出していた。この長距離耐久試験では、一定の走行距離を走行した時点の測定ポイントで、2回以上排出ガスを測定し、測定結果を用いて排出ガス劣化補正値を計算する必要がある。
しかし、日野では小型トラックの試験で、一部の測定ポイントで1回しか測定していなかった。また、排出ガス劣化補正値を計算する際、小型エンジンの場合、5000km、4万km、8万kmの各測定ポイントでの計算が必要だが、各測定ポイントの測定結果を1つしか用いてなかった。
日野では「規定の内容を十分理解していなかったことが不正の原因」と説明している。
国土交通省では「引き続き立入検査の中で、対象エンジンの基準適合性を確認し、その結果を踏まえて厳正に対応する」としている。