シビックタイプR「新型でも積極的にレース」、開発責任者は自ら参戦

743号車Honda R&D Challengeチーム
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スーパー耐久第4戦が行われている大分県のオートポリス。ST-2クラスにホンダシビックタイプR』が出場している。ドライバーとして参戦している、新型シビックタイプRの開発責任者の柿沼秀樹氏に今後のモータースポーツ活動についてうかがった。

今シーズンスーパー耐久にフル参戦している、ST-2クラス743号車Honda R&D Challengeチーム。ホンダ社員の有志チームで自己啓発を目的として活動を行っており、スーパー耐久に参戦して4年目となる。当初はホンダの研究所があるツインリンクもてぎをターゲットに年に1回の参戦を行っていた。3年目となる昨年は4戦参加し2022年は全レースに参戦している。

ドライバーには先代シビックタイプR開発責任者の柿沼氏がおり、先日ワールドプレミアを行った新型シビックタイプRの開発責任者も継続して行っている。「ワールドプレミアを行ってから、想定以上の反響をいただいてここまでとは思っていませんでした。販売店でも多くの受注をいただいているとのことでとても驚いています」。

タイプRと言えば昔は速さを求めたユーザー向けということで、若干快適性を犠牲にしてもタイムアップや軽量化などを主眼にしていた時期もあった。柿沼氏は「そういう速さを求めたユーザーももちろん大事ですし、そういうのが好きなユーザー向けに作っていた時代もあり、ブランドとして成り立っていった経緯もあります」。

しかし、と続ける。「それだけではなくて快適性なども含めて、どのような人が乗っても快適で速い。そう言ったものを目指して先代シビックタイプRを開発しました。新型は快適性も良くしそれでいて速さも犠牲にしていない。ますますどのような方が乗っても楽しくて速い車を目指しています」と新型の開発コンセプトを語る。

速さを求める部分で、スーパー耐久に参戦していることで分かったことなどを新型シビックタイプRに盛り込んでいるという。「参戦当初はブレーキもパッドを変えただけのノーマル状態で、ブレーキに厳しいツインリンクもてぎに参戦したこともありました。開発の現場とレースではブレーキや駆動系、エンジンなども酷使の仕方など違うことがあり、普通に乗っていれば問題なくてもレースとなれば問題も起きてくる」。

「そして昨年は4戦に参加し、今年はフル参戦していくことで、量産車に対しても足りない部分なども判明していきました。そういったレースの現場で得た知見や技術などは、もちろんフィードバックして新型タイプRにも反映できる部分は反映しています」。レース参戦することによって得たことを量産車に反映していくという、レースと量産車がつながった瞬間だ。

「先代モデルも自分達が開発しているので、その時にはやりきったという思いもあったが、新型にすることで自分達がやりきったと思っていることを超えていかないといけない。その苦労も大変でした。レースに参戦することで得た知見や技術などを盛り込むことで、その苦労を乗り越えられた部分もあった」

モータースポーツの現場ではどうなっていくのか、今後の活動などをうかがう。

「現在、ホンダ4輪で唯一とも言えるリアルスポーツカーとなるシビックタイプRを、より活用していくのは当然のことだと思います。自分が開発し自分で参戦して乗っている。これで新型でもモータースポーツ活動をしない方が不自然でしょう。いまはそのためにはどのような準備をしなくてはいけないのかなどを考えている最中です」と、新型でもモータースポーツ活動は継続して行われていくとのことだ。

「国内だけでなくワールドワイドでも考えていかないといけない部分もある。その辺はHRCと密に連絡をとって、どのように行っていくのが良いのかも検討しています。時期がきて発表できるタイミングがくれば順番に発表していきたいと思いますので、お待ちいただければと思います」と期待できる発言だ。

さらに「スーパー耐久は参入の垣根がとても低いのが良いところでもあり、ST-Qクラスでトヨタ、スバル、マツダ、日産の各社が活動されています。その方々ともコミュニケーションをとり、カーボンニュートラルについてもディスカッションをしています。その中でホンダとしてはどのようなことができるのかを検討していく必要があると思っています。スーパー耐久はある意味いろいろなことにチャレンジできる環境でもある」とも語る。

「自分としては、先が見えないことで不安も多いなかで、この先に希望が見えるようなクルマ作りをしていきたい」と将来に向けてのビジョンも語ってくれた。そんな柿沼氏をはじめホンダ有志が頑張る、743号車Honda R&D Challengeチームがスーパー耐久でどのような走りを見せるのか期待したい。


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《雪岡直樹》

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