SUBARU「アイサイト」が目指す安心・安全を支えるジオテクノロジーズの高精度地図データ

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ジオテクノロジーズ 杉原博茂 代表取締役社長 CEO(右)とSUBARU Lab 柴田英司 所長(左)
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  • ジオテクノロジーズ 杉原博茂 代表取締役社長 CEO
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  • SUBARU Lab 柴田英司 所長
  • ジオテクノロジーズ 杉原博茂 代表取締役社長 CEO
  • SUBARU Lab 柴田英司 所長

いまやグレードを問わず標準装備が当たり前となった「ADAS(高度安全運転支援システム)」の先陣を切ったのはSUBARU(スバル)の「アイサイト」だろう。独創的なステレオカメラと自動ブレーキアシストによる「ぶつからない車」は、実際の衝突事故軽減効果が認められ、瞬く間に業界に広がった。

現在、内外の自動車メーカー各社は「レベル3」「レベル4」の自動運転を目指し、ADAS機能を進化発展させているが、ここでは従来のGPSやセンサー情報に加え、高精度GPS、高精度地図データといった技術が重要とされる。ジオテクノロジーズは独自の地図情報をナビやADAS機能を提供している大手地図メジャーである。その代表取締役社長 CEO 杉原博茂氏と、各界のキーパーソンとの対談シリーズ。今回は、SUBARU Lab所長 柴田英司氏をお招きした。

柴田氏は、車両の電子電気系の設計開発のエンジニア。スバルでは技術本部 ADAS開発部部長、自動運転PGM 上級ゼネラルマネージャーも務める。アイサイトの開発に関わったいわば「アイサイト生みの親」だ。二人の対談は、スバルの安全技術とジオテクノロジーズの地図プラットフォームが生み出す今後の“化学変化”に期待がかかるものとなった。

(1)ジオテクノロジーズの地図がなければ「アイサイトX」は実現しなかった
(2)ADASは地図やコンテンツ情報による「先読み」で進化する
(3)『トリマ』で得られる位置情報データで「予測」できる

(1)ジオテクノロジーズの地図がなければ「アイサイトX」は実現しなかった

ジオテクノロジーズ 杉原博茂 代表取締役社長 CEOジオテクノロジーズ 杉原博茂 代表取締役社長 CEO

ジオテクノロジーズ 杉原博茂 代表取締役社長 CEO(以下敬称略):スバルさんは、日本でFF(前輪駆動車)や乗用4WD(四輪駆動車)の草分け的な存在ですよね。「アイサイト」もそうですが、私にとってスバルさんは「チャレンジャー」というイメージがあります。手前味噌ですがジオテクノロジーズもカーナビの地図から位置情報プラットフォーマーとしての変革を進めているチャレンジャーだと思っています。原点は地図情報です。これをベースに位置情報や新しい付加価値を生み出す、私たちが所有するさまざまなビッグデータは弊社ADAS事業部も「宝の山」だと思って取り組んでいます。

SUBARU Lab 柴田英司所長(以下敬称略):ジオテクノロジーズさんの地図はアイサイトでも活用させていただいているので存じ上げています。アイサイトのコンセプトは交通事故を減らす、とくに、死亡事故をいかに減らすかにありますが、アイサイト開発でもうひとつこだわっている点があります。それは、スバル車の安全性はたくさんのお客様に買っていただける価格であるということです。一部の高級モデルだけに装備される安全機能では事故を減らすという目的が達成できません。普及させる技術がどこにあるか、探している中でジオテクノロジーズさんに出会いました。

現在のアイサイトは、高速道路でハンズオフができますが、目的は自動運転というより、死亡事故ゼロです。地図情報の活用やハンズオフは、運転負荷を減らすために必要です。この点、ジオテクノロジーズさんの地図は高精度であり、価格を含めて高精度地図のパッケージングがよくできていたので採用させていただきました。というより、ジオテクノロジーズさんの地図データがなければ「アイサイトX」(※)は実現していませんでした。

杉原:データを提供する側としてこの上ない評価で大変ありがたく思います。

※GPS衛星や高精度地図データを活用した「高度運転支援システム」を搭載する最新バージョンのアイサイト。高速道路上での渋滞時ハンズオフ走行も可能としている。

(2)ADASは地図やコンテンツ情報による「先読み」で進化する

SUBARU Lab 柴田英司 所長SUBARU Lab 柴田英司 所長

杉原:ところで、柴田さんも運転好きと聞きましたが。

柴田:はい。(スバルの工場がある)群馬県と渋谷にあるラボの行き来は自分で運転しています。プライベートの趣味と仕事の両方で車を活用しています。遠出も疲れないし、山奥のオフロードにはスバル車は欠かせません。

杉原:私も運転は大好きです。アメリカに留学していた当時は800ドルで買った中古のマッスルカーを自分でメンテナンスしてよく乗っていました。今でもそうですが、スバル車はアメリカでも大人気です。ラリーでの活躍もしかり、とにかく壊れないという話を聞きます。そしてシンメトリカルAWDのファンも少なくないです。ブルーブック(北米中古車の下取り価格リスト)でも価格は下がらないし、消費者団体のコンシューマレポートで1位をとったこともありますよね。

柴田:ありがとうございます。それでもアイサイトのアメリカでの展開には苦労しました。ブレーキや加速のスタイル、道幅の違いなどを考慮しないと、現地では使い物にならないのです。道路事情は日本と欧州は似ている点がありますが、北米は加速・減速はメリハリが必要です。そのため、当時の日本向けのアイサイトとは中身が全くの別物といってもいいくらいのものになっています。

杉原:なるほど。アメリカ仕様もそれだけこだわれば、評価されるのは当然ですね。

柴田:じつは、アイサイトXにはカーブ接近時の減速機能があるのですが、地図情報、位置情報はそのような制御にも活用しています。ステレオカメラは人間の目のように機能しますが、まだ完全ではありません。地図やコンテンツ情報を使いながらの先読みや周辺認識がポイントとなります。ADASはこの方向で進化していくと思っています。

杉原:プリミティブな位置情報、地図情報を組み合わせることで新しい情報やコンテンツとする方向は、我々がまさに事業で取り組んでいる領域のひとつです。リアルなアナログとデジタル、そこをブリッジしていかに行き来できるようにするか、そしてその先にある未来を予測できるかが大きな価値につながっていくと考えています。

(3)『トリマ』で得られる位置情報データで「予測」できる

ジオテクノロジーズ 杉原博茂 代表取締役社長 CEO(右)とSUBARU Lab 柴田英司 所長(左)ジオテクノロジーズ 杉原博茂 代表取締役社長 CEO(右)とSUBARU Lab 柴田英司 所長(左)

杉原:位置情報や地図情報に基づいた新たなコンテンツで言いますと、それこそメタバースへの応用なども考えていますが、もっと身近な例では、移動することでポイントを貯められるM2E(※1)アプリ「トリマ」があります。マンスリーアクティブユーザー数が約400万人もいるサービスで、1日に10億件以上ものログデータが集まります。これらのデータは地図づくりだけでなく、街づくりにも貢献するものです。

これにより、通信事業者では出せないような人流データ(※2)を得ることもできます。渋滞情報や混雑情報はもちろんですが、高度な分析を行うことで自然災害をはじめとした、さまざまなデータ予測にも役立てることができます。

※1 Move to Earn。移動することで報酬(ポイント)を得られる仕組みを指します。
※2 プライバシーを保護した位置情報データです。収集、使用する全てのデータは許諾の取れた情報のみを使用しています。また、匿名加工処理により使用する情報から個人を識別することはできません。

柴田:ビッグデータもうまく使っていきたいと思っています。車での応用は、渋滞予測や道路状況予測のほか、事故予測などいろいろと可能性がありそうですね。

杉原:自分のADAS装備の車を運転することで、予防安全機能の進化は感じています。最初に自動ブレーキがかかったときは、きちんと止まれて安全だったのですが、正直なところ急なブレーキで怖かったのも事実です。予測精度が上がれば、もっと事前に警告などを出せるようになりますね。

柴田:はい、アクセル・ブレーキ・ハンドルの制御はなかなかむずかしいんです。国によるドライビングスタイルの違いもありますが、反応を良くしすぎると、制御としてはギクシャクしたものに感じられたりします。今後、制御の自動化をさらに進めるのと同時に、よりドライバーの感覚に合った自然な制御に向上させて、快適にご使用いただけるようにしていきます。

さきほどメタバースの話もありましたが、半導体技術の進歩をベースとした技術革新がAD/ADAS分野も含めたいろんな分野で進んでいき、先々は融合していくのでしょう。今後、車の価値がどう変わっていくのか……近い将来はもっと面白い状況になると思っています。

杉原:仮想空間の活用はこれからますます広がっていきます。ただ閉じた世界ではなく、みんなのメタバース、みんなのNFT、というものを作っていきたいと考えています。人間の記憶力は1日で約7割が消えてしまうと言われています。メモライズさせるにはルートをデジタイズして、個人一人ひとりのルートを持った地図を作ることです。例えば大仏様をNFTにして、末代まで遺産相続できるようなことを考えたい。モメンタムを大切にしていく、それが弊社の考えるメタバースです。これからも車と人とのつながりの進化へ貢献していきたいと考えます。

ジオテクノロジーズの社名には、地球(Geo)と先端技術・テクノロジーを融合し、予測可能な世界“Geo-Prediction(ジオプリディクション)”を目指すという思いが込められています。死亡事故ゼロに向けた予測可能な世界の実現に向けて、我々の高精度地図データやADAS事業が役立てると信じています。ワクワクするお話が出来ました。ありがとうございました。

柴田:今後ともよろしくお願いいたします。

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《中尾真二》

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