コミュニティバスが装着する、通年使用を考えたスタッドレスタイヤの秘密を藤島知子がバス会社に直撃レポート!TOYO TIRES「M937」が登場

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コミュニティバスが装着する、通年使用を考えたスタッドレスタイヤの秘密を藤島知子がバス会社に直撃レポート!TOYO TIRES「M937」が登場
  • コミュニティバスが装着する、通年使用を考えたスタッドレスタイヤの秘密を藤島知子がバス会社に直撃レポート!TOYO TIRES「M937」が登場
  • 雪道の走行では、スタッドレスタイヤが心強い味方となる
  • 「M937」は通年の使用を考えて、スタッドレスとしての冬性能・耐摩耗性能を両立させたタイヤである
  • コミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937」
  • 冬の石川県では、一定量の積雪があるのでスタッドレスタイヤとしての性能は必須だ
  • コミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937」
  • コミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937」
  • コミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937」

四季を通して変化する道路環境において、厳しい場面のひとつが冬場の移動。今回はTOYO TIRE株式会社(以下、トーヨータイヤ)がコミュニティ・小型路線バス用に開発したスタッドレスタイヤの話をご紹介したいと思う。

地域住民の移動手段として重要な役割を担う路線バス。道幅が広い幹線道路では多くの乗員を乗せて走る大きめの車体を目にすることが多いが、ここ10年で小型コミュニティバスの需要は1.5倍に増えているという。採用されている事例としては、廃線した交通機関の代替バスとして地方自治体が運行するケースをはじめ、混み合った住宅地を走る市内循環バス、郊外の狭あい道路の路線でも活用されている。代表的な車種は日野『ポンチョ』で、国産唯一の小型ノンステップバスであることが導入理由に繋がり、主力車種になっているそうだ。

雪道の走行では、スタッドレスタイヤが心強い味方となる雪道の走行では、スタッドレスタイヤが心強い味方となる

安全で滞りなく運行するとなれば、例え冬場に数日であっても、雪が降ることを想定した対策が求められる。まさに、アスファルトも雪道も走れるスタッドレスタイヤの出番となるワケだが、そうなると、運行会社は夏タイヤとスタッドレスタイヤの両方を購入し、タイヤ交換やホイールを余分に手に入れるコストがかかる。それに付随して、管理する工数や時間も必要だ。スタッドレスタイヤを通年で使用する方法も考えられるが、既存のスタッドレスタイヤだと雪以外の路面を走ると摩耗ライフが不足して通年使用が難しいケースも多い。

「M937」は通年の使用を考えて、スタッドレスとしての冬性能・耐摩耗性能を両立させたタイヤである「M937」は通年の使用を考えて、スタッドレスとしての冬性能・耐摩耗性能を両立させたタイヤである

そうした困りごとを解決できないかとトーヨータイヤが開発した『M937』が、2022年9月より発売される通年使用を想定して考えられたコミュニティバス専用のスタッドレスタイヤで、『非降雪地域で雪や凍結路面を問題なく走れる冬性能』『高い耐摩耗性能の実現』を特長にしたタイヤだ。スタッドレスタイヤとして冬の路面に対応するのはもちろん、摩耗しにくい特性を両立し、通年使用できるタイヤを目指したという。このタイヤは実はすでに2021年から限定タイヤとして各地のバス会社が実際に使用していたということで、その声をご紹介したいと思う。

北鉄白山バスさま:一定量の雪が積もる地域でも問題なく使用可能

冬の石川県では、一定量の積雪があるのでスタッドレスタイヤとしての性能は必須だ冬の石川県では、一定量の積雪があるのでスタッドレスタイヤとしての性能は必須だ

石川県白山に本社を置き、市内路線バスを運行する北鉄白山バス株式会社。冬場は一定程度の雪が降り積もる環境でコミュニティバスを走らせている。実際に使ってみた印象としては、「雪道走行性において不安を感じることはなく、問題なく走破できています」とのこと。耐摩耗性能を高めていても、これまで使用してきたスタッドレスタイヤと比べても雪道の安心感は損なわれてはいないようだ。

また「冬性能と夏性能のバランスがとれたタイヤだと感じています」ということで、今後も継続使用を考えているとのこと。コストや時間のロスを減らせるだけでなく、四季を通じて安心して履きこなせるメリットを実感しているようだ。

スタッドレスとしての冬性能と耐摩耗性能を高次元で両立するのが『M937』の真骨頂

ワイドトレッド化をベースとしてパターンを最適化することで、耐摩耗性能とアイス性能を両立ワイドトレッド化をベースとしてパターンを最適化することで、耐摩耗性能とアイス性能を両立

M937が冬道の走破性と耐摩耗性能という背反する性能を実現した秘密はパターン設計と構造設計の工夫にある。冬の路面で重視される冬性能については、路面に接するトレッド面に3本ある主溝の幅を広くとることで雪の目詰まりを低減し、スノー性能を確保。大きなブロックには波型のサイプを高密度で配置することで、凍結路面でエッジ効果を発揮するという。

アイス路面での制動テストにおいて、オールウェザータイヤとスタッドレスタイヤの中間の性能を実現アイス路面での制動テストにおいて、オールウェザータイヤとスタッドレスタイヤの中間の性能を実現

一方で、耐摩耗性能に効果をもたらすのがワイドトレッドの採用やブロックの大型化と千鳥配置。トレッドをワイドにとることで接地性を得やすくするほか、大型のブロックは高い剛性を確保して過度な動きを抑え、外側に千鳥状に配置されたブロックは相互に支え合うことで高剛性化する。

耐摩耗性能は通常のスタッドレスタイヤM935比較で“約38%”も向上している耐摩耗性能は通常のスタッドレスタイヤM935比較で“約38%”も向上している

さらに、構造面ではトーヨータイヤ独自のe-balance技術を使って接地圧力を最適化。パターンと構造の工夫が倒れ込みを抑えて路面への接地性を高めたほか、偏摩耗を抑えられる。タイヤが均一に摩耗すれば、交換サイクルを長く保つことができそうだ。

東急バスさま:通年使用できるタイヤだからこその利便性とコストメリット

東急バス株式会社のみなさま東急バス株式会社のみなさま

ここで、都市部で使った事例をご紹介したいと思う。東急バスは渋谷や恵比寿など、住宅地の路線を中心に30台の“コミュニティバス・小型バス”(以下=コミュニティバス)を運行して地域住民の利便性を高めてきた会社の一つ。コミュニティバスで装着されるタイヤはどのような状態になるケースが多いか、伺ってみると「狭いところを曲がる回数が多いため、乗員を乗せると車重の重さでローリングが起こって、“肩落ち”と呼ばれる偏摩耗を起こしやすくなり、タイヤの交換サイクルが早まりがちです」とのこと。

東急バス株式会社 運輸事業部 安全事業部 車両グループ 課長兼テクニカルセンター長 長谷川 充氏東急バス株式会社 運輸事業部 安全事業部 車両グループ 課長兼テクニカルセンター長 長谷川 充氏

タイヤ交換や管理についてこれまでの実情を伺ってみると、「一台につき、6本のタイヤを履くコミュニティバスは夏タイヤと冬タイヤを交換するとなると、30台分のタイヤを都市部の狭い工場の敷地内にどう保管するかがネックとなります。その点、このスタッドレスタイヤM937を装着した場合、年間通して使えることからで、保管場所の確保やコスト低減の問題を全てクリアできるため、助かります。

実際にはかつて年に2回行っていたタイヤの組み替えや交換作業の手間が半分に減りました。オススメなのは12月にM937を履き始めて、冬場はスタッドレスの性能を万全に発揮してもらい、その後に夏場も使い続けて冬前に新しいタイヤに交換する使いかた。一般的なスタッドレスは通年で履き続けようとすると一年もちませんが、M937なら通年で使用できる。運行コストはタイヤの購入費用や交換費用が多くを占めているため、それらが半分になるのは大きいです」と、都心の現場のニーズを捉えたタイヤであることを評価していた。

京王電鉄バスさま:現場のニーズを上手くバランスした乗り味・耐摩耗性能とタイヤ管理の負担低減

京王電鉄バス株式会社のみなさま京王電鉄バス株式会社のみなさま

次に東京都の京王電鉄バス、府中工場でお話を伺った。「コミュニティバスは自治体のニーズがあって、府中と調布エリアを合わせて40台ほどを運行しています。狭い道路の路線が中心ですが、交通量が多く、雪が積もるエリアもあるため、営業所からはスタッドレスタイヤを装着して欲しいと言われます。ただ、柔らかいスタッドレスタイヤはドライ/ウェット路面を捉える“食い”が良くないぶん、走行性能が落ちやすい印象ですし、ドライ路面を走ると摩耗しやすい点が気になっていました。トーヨータイヤさんには1年で履きつぶせるスタッドレスタイヤを作って欲しいとお伝えしていました。」

京王電鉄バス株式会社 安全管理部 技術担当 課長補佐 三浦 孝之氏京王電鉄バス株式会社 安全管理部 技術担当 課長補佐 三浦 孝之氏

M937を装着後、変化した点について伺ってみると、「これまでの場合、11月にスタッドレスタイヤを装着してそのまま履き続けると、9~10ヶ月後には夏タイヤに交換しないといけない状況でした。夏と冬でタイヤ交換が必要となれば、240本分のタイヤをどこに保管するのかという話になります。また、フロントタイヤが摩耗すると1.5~3ヶ月間隔でローテーションを行ってきましたが、M937の場合は穏やかに摩耗するため、そのサイクルが長くなったほか、走りの質も高く感じられました。雪が降った後の住宅地は凍結する場所もありますが、ハンドルを握っていた乗務員はリスクがないようにと慎重な走りを心がける中、走る、曲がる、止まるという一連の動作で違和感なく扱えたようです。」一番大きいことはコストパフォーマンスに優れたタイヤで、運行にも関わる“タイヤを管理すること”の負担が減ったことが、現在のニーズに合っている、とのこと。

突然の雪に備えるだけでなく、事業者の煩わしさも解決する魔法のスタッドレスタイヤ…?

コミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937」コミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937」

突然の雪に備えて、安全な運行のために履いておきたいスタッドレスタイヤ。今回のお話を伺ってさまざまな気づきが得られた。数多くのバスを毎日運行し、管理しなければならない立場からすれば、通年使用を叶えるスタッドレスタイヤ『M937』は一年を通したタイヤの購入費用を減らせるだけでなく、保管スペースの確保、従業員の労働時間の短縮、負担低減など、目に見えにくい現場の問題を解決する画期的なタイヤであることが分かった。

世の中はより良い環境を実現すべくSDGsの取り組みが進められているが、今回の取材を通して、タイヤ選びで解決できる問題もあるということを教えていただいた。今後も様々な分野において、こうした画期的な提案が生まれることに期待したいと思う。

通年使用を考えたコミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937」の詳細はこちら!

藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに参戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参戦。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得。現在はクルマの楽しさを少しでも多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、ウェブ媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線という両方向からカーライフ全般をサポートしている。

《藤島知子》

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