巣ごもり需要で人気のプラモデル、ハイロー二極化&日本車人気が顕著に【第60回静岡ホビーショー】

3年ぶりのフル開幕となった「第60回 静岡ホビーショー」。写真はハセガワのプラモデル『ニッサン スカイライン 2000GT-R』
  • 3年ぶりのフル開幕となった「第60回 静岡ホビーショー」。写真はハセガワのプラモデル『ニッサン スカイライン 2000GT-R』
  • 第60回 静岡ホビーショー
  • タミヤの新作。と言っても再販だがエッチングパーツやデカールが新しい
  • 第60回 静岡ホビーショー
  • こちらも同様タミヤの再販新作
  • 金型も一新したハセガワのケンメリGTR
  • アンダーボディまで作り込まれている
  • ハセガワのニッサン スカイライン 2000GT-R

2019年以来、3年ぶりのフルスペック開催となった今回の「第60回 静岡ホビーショー」。フルスペックとは11日から始まった業者招待日と、14日以降の一般公開日を持ったショーのこと。昨年は一般公開日が無かった。今回は自動車の模型にフォーカスし、プラモデル編とミニカー編に分けて解説する。1回目はプラモデル編だ。

プラモデルの二極化

タミヤの新作。と言っても再販だがエッチングパーツやデカールが新しいタミヤの新作。と言っても再販だがエッチングパーツやデカールが新しい

驚いたことにプラモデルの売り上げは伸びているのだそうだ。その理由は巣ごもり需要が大きく、どのメーカーに聞いてもプラモデルの売り上げは伸びている、というのである。今年のショーを通じて強く感じられたことは、二極化である。その二極とは、一つはプラモデルの価格だ。今やモノによっては1万円越えもある高額なものになってしまったプラモデル。精緻さを追求していけば自然とその質感とともに品質が向上し、提供する側にしてみれば価格が上昇するのは仕方のないことかもしれないが、一方で購入する側にとっては、言い方は悪いがある面ではたかがプラモデル…という考えもあって、気軽さも大切。つまり安価に提供されるものと、すこぶる高額になったものの二極に分かれてきているということである。

もう一つの二極は、これは価格との連動もあるのだが、俗にいうモデラーの心理を満足させる極めて精巧にできたものと、誰もが簡単に作れるを目指した作り易さ優先のモデルの二極化だ。

第60回 静岡ホビーショー第60回 静岡ホビーショー

高額、高品質、精緻の究極的なモデルを作るのが業界最大手の株式会社タミヤである。1/12という大型スケールを中心に新たなモデルを投入していた。と言ってもいずれのものも再販で、エッチングパーツを追加したり、デカールを新たなものにするなどの手直しを行ったモノだが、一応は新発売である。また、1/20モデルでもパーツにアルミ削り出し金属を使うなどやはりディテールに拘りを見せるものが多い。タミヤの1/12シリーズは価格的にもみな1万円を超える。

アオシマ、ハセガワの主流は昔懐かしい国産車

ずらりと並んだアオシマのスナップキットシリーズずらりと並んだアオシマのスナップキットシリーズ

逆に作り易さと手ごろな価格を売りにしているのは株式会社青島文化教材社(アオシマ)である。同社の主力はスナップキットと呼ばれる、接着剤を使用しなくても組み立てが可能なプラモデル。サイズは1/32と小ぶりだが、何よりも価格は1000円台と極めて安価。それでいて、見た目の外観はかなり精巧にできているから、飾っておくにはこれで十分とも思える。

開閉部分はないが、それはミニカーにも通じるところで、気軽に作れて安価というところが売り。アオシマの方に聞くと、数の上では圧倒的にこのスナップキットが売れているそうである。また、精緻なモノを好むモデラーにしても息抜きにはピッタリ。このほかアオシマでは塗装済みのモデルを販売したりと、模型入門者に力を入れている印象だった。

金型も一新したハセガワのケンメリGTR金型も一新したハセガワのケンメリGTR

ある意味精緻と入門の中間的なものを市場に送り出すのが株式会社ハセガワだ。2022年の新製品として懐かしい日本車を5台ほど出していた。いずれの場合も金型を一新、あるいは新金型を追加してその仕上がりは美しい。しかも普段は目に留まらないクルマの裏側まで敢えて作り込んでいるあたりはモデラーの気持ちにも応える。しかも価格は1/24サイズで3千円台中盤と非常にお得感がある。ハセガワの模型は他のメーカーと比べてモールドと呼ばれるプラスチックの質が硬く、それゆえにシャープなラインを出せるのだそうである。

タミヤ模型はF1の新商品ばかりだったが、アオシマ模型にしてもハセガワ模型にしても主流は昔懐かしい国産車のモデル。何故か60年代や70年代のものが多く、新しいクルマはどうも人気が無いようである。プラモデルのみならず自動車模型の主流が日本車に移行していることを強く感じた今回のショーであった。

《中村 孝仁》

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