日野自動車は3月29日、商用車用エンジンの燃費・排ガス検査の不正で、リコールを届け出たことなどから通期業績見通しを下方修正すると発表した。
同社では、エンジン認証に関する不正行為が確認され、エンジン性能に問題があることが判明したエンジン搭載車両について3月25日に国土交通省へリコールを届け出た。使用過程車へのリコール費用と、税制優遇を受けていた車両の返納を負担する費用として約 400億円を特別損失に計上する見込み。
また、北米市場向けエンジンの認証に関して、ディーラー、サプライヤー、顧客との合意に基づく補償損失を160億円見込んでいたが、当初見込みを約120億円上回ることが判明、合計約280 億円を特別損失に計上する見込み。
この結果、2022年3月期の当期損益として150億円の黒字を予想していたが、540億円の赤字となる見込みに下方修正した。
また、不正に関してトラック、バスの出荷を停止していることから売上高も前回予想から400億円下方修正して1兆4200億円、営業利益が220億円引き下げて320億円に下方修正した。
期末配当予想は現在、修正を検討中としている。