国交省、日野自動車に最も重い処分…不正エンジンで型式指定取り消し[新聞ウォッチ]

日野プロィア
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  • 上海市内(3月28日)
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国土交通省が日野自動車のエンジン試験データ不正問題で、道路運送車両法に基づき、対象のエンジンに関する型式指定を取り消す行政処分を出した。

1951年の同法施行以来、最も重い取り消し処分が実施されるのは初めてだそうで、対象エンジンを搭載した車の販売が事実上、不可能になるという。

きょうの各紙にも「日野『型式指定』取り消し、不正エンジン搭載車販売不可に」(読売)や「安全揺るがす行為重い処分」(朝日)などと大きく報じているが、対象となったエンジンは計4種類。トラックの『レンジャー』と『プロフィア』にバスの『セレガ』と『リエッセ』。それに日野が製造の対象エンジンを搭載したバスで、トヨタ自動車の『コースター』といすゞ自動車の『ガーラ』なども型式指定が取り消された。車両ユーザーが不利益を受けないよう、3月29日までに生産された車両は引き続き利用できる。

中型エンジンでは、排出ガス関連の性能を調べる長距離耐久試験の途中で部品を交換する不正があり、基準を満たすように見せかけていたほか、大型2種類と小型のエンジンは燃費測定試験に問題があったそうだ。

一方、日野自動車は、型式指定の取り消しを受けて、2022年3月期の連結最終損益が540億円の赤字(前期は74億円の赤字)になる見通しを公表した。リコール(回収・無償修理)関連費用を計上するためで、22年3月期の最終損益はこれまで150億円の黒字を見込んでいたが、一転して赤字に転落するという。

日野といえば、トヨタグループの中核企業で、1年前からトヨタ出身でプリウスやアクアなどの車両開発を手掛けた小木曽聡社長が就任している。過去にも類を見ない経営危機に対して50.1%を出資するトヨタ自動車の今後の対応が注目される。

2022年3月30日付

日野「型式指定」取り消し、不正エンジン搭載車販売不可に、国交省(読売・2面)

●上海都市封鎖、企業も打撃、コロナ、工場停止や店舗休業(読売・7面)

●ガソリン高米欧も対策、減税やバス無料化(読売・11面)

●鉄道値上げコロナ禍で加速、利用者減「類を見ない経営危機」(朝日・11面)

●停戦協議前進、ウクライナ「中立化」露首脳会談目指す(毎日・1面)

●現代、EVで対日攻勢、再参入「未開拓」市場狙い(毎日・7面)

●円安悪循環警戒強まる、一時125円台、理論値も急低下(日経・1面)

●GM変えた「見切る」経営、EV専業、規模より利益、パーラ氏、5年で販売台数4割減(日経・16面)

●EV電池、工場電源に、日産、使用済み活用、システム外販狙う(日経・17面)

《福田俊之》

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