原油価格の高騰と株価の急落に歯止めがかからない。欧州を中心に取引されている北海ブレント原油の先物価格が一時1バレル=139ドル台まで上昇し、約13年8か月ぶりの高値水準となったという。
きょうの日経が1面トップで「原油、供給不足で急騰、世界需要の4%不足も」などと報じているが、背景には欧米がロシア産原油の輸入禁止の検討に入り、世界供給が不足するとの懸念が台頭しているためだそうだ。ちなみに、ロシアは世界の原油生産の1割を占めているという。
日本政府は、原油高によるガソリン価格の上昇を抑制するため、3月10日から、石油元売りなどに支給する補助金の上限額を1リットルあたり5円から25円に拡大する方針で、レギュラーガソリンの全国平均価格を172円程度に抑制することを目指している。だが、原油高騰が一段と進み、「現状の補助金では抑制しきれない可能性が出てきた」(読売)とみられている。
一方、週明け3月7日の東京株式市場は原油価格の急騰の影響で全面安の展開。日経平均株価は一時、前週末終値に比べ、1000円近く下落する場面もあったほど。終値は764円06銭安の2万5221円41銭で、今年2月24日以来となる昨年来安値を更新した。
自動車関連の銘柄も軒並み下落し、このうち、排ガスデータの改ざん不正が発覚した日野自動車のストップ安(745円)はともかく、前週末終値に比べ、いすゞ自動車が9.12%減の1384円、スズキも8.66%減の3835円、トヨタ自動車は6.53%減の1845円、日産自動車も6.37%減の464円04銭となった。
ソニーグループとEV事業で提携を発表したホンダの終値は3.2%減の3112円で、同業他社から比べると下落幅は小さかったが、ロシアのウクライナ侵攻拡大が景気後退につながるとの警戒感が強まっており、株価の不安定な動きはしばらく続きそうだ。
2022年3月8日付
●原油急騰一時139ドル台、電気・ガス値上げ圧力(読売・2面)
●露進出企業が帰国指示、トヨタ東芝、渡航中止勧告で(読売・9面)
●マレリADRで合意、債権者会議債務返済一時停止(読売・9面)
●日野自動車立ち入り、国交省、データ不正めぐり(朝日・8面)
●空飛ぶクルマ通勤へ一歩、スウェーデンのベンチャー自家用市販(産経・11面)
●東証一時1000円近く急落、ロシア産石油禁輸で警戒感(東京・6面)

●日産、人道支援3億円、ロシアの侵攻、現地工場は停止(日経・15面)
●賃上げ、目標は中長期で、自動車総連会長・金子晃浩氏(日経・15面)
●スバル、「ブランド力」裏目に、販売奨励金減少余地小さく(日経・17面)