車載用リチウムイオン電池廃棄重量、世界で9万7000トン 2021年見込み

日産リーフのリチウムイオンバッテリー(参考画像)
  • 日産リーフのリチウムイオンバッテリー(参考画像)
  • リチウムイオン電池のリユース・リサイクル動向調査結果の概要

矢野経済研究所が2月15日発表したリチウムイオン電池のリユース・リサイクル動向調査によると、2021年の世界の車載用リチウムイオン電池の廃棄重量が9万6850トンになるとの見込み。

2021年の車載用リチウムイオン電池の廃棄重量の地域別構成比では、中国が94%と大半を占める見通し。中国は2015年前後から政策主導で電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)の市場が世界に先行して成長したことから廃棄量の増加も先行している。

廃棄される車載用リチウムイオン電池の回収量は地域によって事情は異なるものの、想定よりも下回っている模様。中国では国の認定を受けたホワイトリスト企業以外にも廃棄されたリチウムイオン電池が流入している。日本はEVやPHEVが中古車として輸出されていることから、廃棄される車載用リチウムイオン電池の回収量が低いという。

2021年の世界のリチウムイオン電池のリユース市場は1790MWhを見込む。主に中国で低速EVや定置用電池として活用されている。リサイクル市場はコバルト、ニッケル、リチウムの回収量合計が4万6810トンと推計している。

リチウムイオン電池のリユース・リサイクル市場は今後、成長が見込まれている。ただ、成長スピードを左右する車載用リチウムイオン電池の廃棄量は、各地域とも想定よりも低い。市場拡大には、回収量を増やす取り組みが求められる。

また、リサイクルについてはLCA(ライフサイクルアセスメント)の観点からCO2排出量を抑えた技術に対する注目度が高まっている。新たなリサイクル技術動向も注目される。

《レスポンス編集部》

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