「ドゥカティ・ワールド・プレミア2022」で発表されたニューモデル7車種を一挙に紹介[写真37点]

ドゥカティ パニガーレV4(アクセサリー装着車)
  • ドゥカティ パニガーレV4(アクセサリー装着車)
  • ドゥカティ パニガーレV4S
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2輪界における世界最大級のショーのひとつが「EICMA」(エイクマ)だ。ミラノショーとも呼ばれるこのイベントは、例年イタリアのミラノ郊外で開催。世界各国のメーカーと熱狂的なバイクファンが集い、最新モデルが連日メディアを賑わわせることになる。

当然、イタリアンメーカーにとってのEICMAは、決して外すことのできない見せ場だ。MVアグスタやモト・グッツィ、アプリリア、ビモータ、ベスパ……といった名門ブランドが華やかなブースを構え、そのデザイン性や先進性をアピール。中でも圧倒的な存在感を放ってきたのが、ボローニャに本社を置くドゥカティである。そこで披露されたブランニューモデルは、会期中の人気を裏付けるアワード「Most Beautiful Bike of the Show」を幾度となく受賞するなど、ショーの顔とも言える存在だったのだ。

オンライン配信による「ドゥカティ・ワールド・プレミア・2022」

ところが、2021年のEICMAにドゥカティに姿はなかった。数年前からその兆候はあったが、オンラインによって世界中に情報を一斉配信するスタイルを選択。「ドゥカティ・ワールド・プレミア・2022」と銘打ち、2022年に発売予定のニューモデルをウェブ配信する手法に完全にシフトしたのだ。コロナ禍の中、2020年のEICMAが開催中止になったことも影響したに違いない。不安定な状況下で準備を進めよりも、ウェブ配信ならあらゆることを自分たちでコントロールできる。

結果、ドゥカティは2021年9月30日から12月10日にかけて、エピソード1~6という計6回の配信を実施。ミラノから遠く離れた日本にいる限りは、「これはこれで全然ありだな」というのが正直な感想で、こうしたビッグイベントの転換期を感じさせた。では、そこでどんなモデルが公開されたのか。その一覧が次の8機種10グレードで、簡単に概要をまとめておこう。

・エピソード1 Your everyday wonder:ムルティストラーダV2/S

・エピソード2 Mark your roots :スクランブラー1100トリビュートプロ、スクランブラーアーバンモタード

・エピソード3 Rule all mountains:ムルティストラーダV4パイクスピーク

・エピソード4 A new Fighter in town :ストリートファイターV2、ストリートファイターV4SP

・エピソード5 The evolution of Speed:パニガーレV4/S

・エピソード6 Dream Wilder:デザートX

ムルティストラーダV2/S

ドゥカティ ムルティストラーダV2Sドゥカティ ムルティストラーダV2S

発売予定:2022年第一四半期中(1~3月)

価格:179万9000円/205万9000円

ムルティストラーダのフラッグシップがV型4気筒エンジンを搭載するのに対し、こちらは937ccの2気筒エンジンを持つエントリーモデル。フロント19インチ/リア17インチホイールを組み合わせ、オールラウンドなスポーツツアラーとして高い快適性が与えられている。スタンダードのV2に対し、上位グレードのV2SはドゥカティスカイフックサスペンションEVO(セミアクティブサスペンション)を装備。路面状況やライディングモードに応じて、減衰力を自動調整してくれる。

スクランブラー1100トリビュートプロ

ドゥカティ スクランブラー1100トリビュートプロドゥカティ スクランブラー1100トリビュートプロ

発売予定:2022年第1四半期中(1~3月)

価格:174万9000円

ドゥカティのアイデンティティのひとつがL型2気筒エンジンである。その形式を初めて採用したモデルが、1971年の750GTだ。それから50年が経過したことを記念し、「Mark your roots」をコンセプトに作られたモデル。伝統的なイエローと旧ロゴによってクラシカルな雰囲気が強調されている。

スクランブラーアーバンモタード

ドゥカティ スクランブラーアーバンモタードドゥカティ スクランブラーアーバンモタード

発売予定:2022年第2四半期中(4~6月)

価格:142万9000円

1100トリビュートプロがフロントに18インチホイールを採用するのに対し、こちらは前後ともに17インチで、ピレリのハイグリップタイヤを装着。車名の通り、スーパーモタードをイメージしたオンロード色の強いモデルとなる。また、エンジンは1079ccではなく803ccを搭載。軽やかなハンドリングを得ている。

ムルティストラーダV4パイクスピーク

ドゥカティ ムルティストラーダV4パイクスピークドゥカティ ムルティストラーダV4パイクスピーク

発売予定:2022年第2四半期中(4~6月)

価格:378万9000円

2021年に導入されたムルティストラーダV4Sは、スポーツツアラーとビッグアドベンチャーの顔を併せ持つモデルだが、こちらは完全にオンロードに特化。アメリカ・コロラド州の山「パイクスピーク」で開催されているヒルクライムレースの名を冠し、スーパースポーツに限りなく近い動力性能が与えられている。前走車との距離をレーダーによって自動調整するアダプティブクルーズコントロールを採用。

ストリートファイターV2

ドゥカティ ストリートファイターV2ドゥカティ ストリートファイターV2

発売予定:2022年第1四半期中(1~3月)

価格:199万9000円

955ccの2気筒エンジンを搭載するパニガーレV2をベースに開発されたスポーツネイキッド。セパレートハンドルがアップタイプのバーハンドルに換装されている他、厚みを増したシートによって快適性が向上している。車重は178kg(乾燥重量)に抑えられ、鋭い加速力とハンドリングを持つ。

ストリートファイターV4SP

ドゥカティ ストリートファイターV4SPドゥカティ ストリートファイターV4SP

発売予定:2022年第1四半期中(1~3月)

価格:395万9000円

こちらは1103ccのV型4気筒エンジンを搭載するパニガーレV4がベース。同じ出自を持つモデルとしては、すでにストリートファイターV4/Sがラインナップされているが、カーボンホイールや乾式クラッチ、ブレンボの新型キャリパーなどによって、限界域のパフォーマンスが強化されている。203psに達する最高出力に対し、装備重量は196kgに過ぎない。

パニガーレV4/S

ドゥカティ パニガーレV4Sドゥカティ パニガーレV4S

発売予定:2022年第3四半期中(7~9月)/第2四半期中(4~6月)

価格:290万円/358万円

2018年に発表され、着実なアップデートが繰り返されてきたスーパーバイクの最新バージョンがこれだ。1103ccのV型4気筒エンジンは215.5ps/13000rpmの最高出力を発揮し、装備重量は195.5kg(STD)/198.5kg(S)。パワーウェイトレシオは「1」を大きく下回る。ウイングレット形状、スイングアームピボット位置、燃料タンク容量、シート形状など、きめ細やかな変更が加えられた他、上位グレードのV4Sはオーリンズの電子制御サスペンションが従来のNIX30からNPX25/30にアップデートされている。

注目のブランニューモデルは

ドゥカティは、2021年1月~9月の販売台数実績が2020年同期比で+3%、2019年比では+25%と世界的に好調だが、とりわけ日本では46.8%増(2020年同期比)と大きく回復。ここで紹介した2022年モデルが、それをさらに後押しすることになるはずだ。

特に注目すべきは、「ドゥカティ・ワールド・プレミア・2022」のトリを飾ったデザートXだ。このモデル名を持つモデルは過去になく、完全なブランニューモデルとして登場。80年代のアドベンチャーラリーをモチーフにしたデザインと、戦略的な価格(193万9000円)が大きな話題を集めている。このモデルの詳細は、あらためてお届けしよう。

《伊丹孝裕》

モーターサイクルジャーナリスト 伊丹孝裕

モーターサイクルジャーナリスト 1971年京都生まれ。1998年にネコ・パブリッシングへ入社。2005年、同社発刊の2輪専門誌『クラブマン』の編集長に就任し、2007年に退社。以後、フリーランスのライターとして、2輪と4輪媒体を中心に執筆を行っている。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム、鈴鹿8時間耐久ロードレースといった国内外のレースに参戦。サーキット走行会や試乗会ではインストラクターも務めている。

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