JR北海道にラッセル気動車…除雪装置を一体化したキヤ291 今冬から石北本線で試験

除雪装置が一体となったキヤ291形。ディーゼルエンジンは環境に配慮したものとなり、朱色のラッセル車を意味する「Vermilion Russel」という愛称が付けられる。製造価格は約5億7000万円。
  • 除雪装置が一体となったキヤ291形。ディーゼルエンジンは環境に配慮したものとなり、朱色のラッセル車を意味する「Vermilion Russel」という愛称が付けられる。製造価格は約5億7000万円。
  • キヤ291形の除雪装置。構造はDE15形のラッセルヘッドと同じ。
  • キヤ291形の除雪装置。構造はDE15形のラッセルヘッドと同じ。
  • 除雪時のDE15形の構成
  • 除雪時のDE15形の前後に取り付ける除雪装置(ラッセルヘッド)。
  • 劣化が進むDE15形。1972~1980年に製造されているが、部品の生産中止などによりメンテナンスが困難になっている。
  • ラッセルヘッド付きのDE15形が冬季の臨時列車としてノロッコ号を牽引したこともあった。1999年12月23日。富良野線富良野駅。
  • 2021年度のDE15形配置状況。ほかに小型の除雪作業車が117台併用されている。

JR北海道は11月10日、新型の除雪車両(ラッセル車)を今冬に導入すると発表した。

これは既存のDE15形ディーゼル機関車に代わるもので、「キヤ291形」と呼ばれる。JR北海道のDE15形は現在12両が在籍しているが、製造から最も新しいものでも41年と経年が進んでいる。

DE15形は、ノロッコ号などの観光列車牽引などに運用されているが、冬季の除雪時は機関車の前後に主翼や補助翼、フランジャなどを装備した「ラッセルヘッド」と呼ばれる除雪装置を取り付ける。一方、キヤ291形はDE15形と同性能の除雪装置が一体化した専用車で、車種としては事業用気動車に分類される。同様の車両は2014年に登場したJR西日本のキヤ143形がある。

除雪装置の構造や性能は両車とも同一で、DE15形では運転士のほかに保線担当の社員も乗り込み除雪装置を操作しているが、キヤ291形にはGPSによる除雪車両支援装置やカメラが搭載されており、除雪状態や装置、エンジンの動作状況を運転室からモニタリングしながら除雪することができる。

キヤ291形は1両が製造され、今後、石北本線で除雪状況などの確認を行なうとしている。

函館本線小沢駅での除雪作業車による除雪作業。函館本線札幌~長万部間には毎冬、定期的にDE15形による除雪列車が運転されているが、駅構内ではこうした小回りが効く作業車が活躍している。2018年1月6日。函館本線小沢駅での除雪作業車による除雪作業。函館本線札幌~長万部間には毎冬、定期的にDE15形による除雪列車が運転されているが、駅構内ではこうした小回りが効く作業車が活躍している。2018年1月6日。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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