愛媛出身米国籍の真鍋淑郎氏にノーベル物理学賞…地球温暖化を予測[新聞ウォッチ]

今はもう秋、あの真夏の炎天下で強行開催された東京五輪・パラリンピックでの日本選手の金メダルラッシュ以来なのか、久々に喜ばしい明るいニュースが、きょうの各紙の1面トップを飾っている。

スウェーデン王立科学アカデミーが、2021年のノーベル物理学賞を愛媛県出身で米国籍の真鍋淑郎・米プリンストン大学上席研究員に授与すると発表した。

真鍋氏は、半世紀以上も前の1960年代に二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスに着目し、大気と海洋の循環を考慮した気候変動のモデルを開発、地球温暖化の予測に関する先駆的な研究を続けた業績が高く評価されたという。

真鍋氏の受賞で日本生まれのノーベル賞は28人目。自然科学分野では2019年に化学賞を受賞した旭化成名誉フェローの吉野彰氏に続き25人目。また、物理学賞の受賞は2015年の梶田隆章・東京大学卓越教授に続き12人目だそうだ。

きょうの各紙には「温暖化の予測法開発、CO2の影響数値化」などと、受賞の理由とともに社会面では真鍋氏の経歴や人柄などのエピソードを伝えている。それによると、真鍋氏は1931年、愛媛県四国中央市新宮町生まれで、祖父や父が医師という家に育ち、自身も一時医師を志したという。しかし、結局は東大で気象学を専攻。気象学を選んだのは「記憶力は悪いし、手はぶきっちょ。空を眺めて物思いにふけるくらいしか取りえがないと思った」からだとみられる。

毎日が「自分は頭が切れるというのではないが、人が合点したことでも『待てよ』とくどいほど考え続けることが、結果としてうまくいった」などと、以前の取材で語っていたエピソードを取り上げているのも興味深い。

ただ、日本生まれで米国籍の真鍋氏の受賞で気掛かりなのは、日本では基礎研究の足腰が弱っていることも改めて浮き彫りになったことだ。毎日は近年日本の研究環境の悪化から、さらなる「頭脳流出」の懸念が高まっているとして、影響力の大きな学術論文数の国別ランキングでは過去最低の世界10位に後退するなど、研究力の低下も歯止めがかからないと指摘。読売も社説で「論文の数や質も、米国や中国に比べて地盤沈下が目立つようになった」とも取り上げている。

2021年10月6日付

●真鍋氏ノーベル賞、物理学賞「二酸化炭素で温暖化」予測 (読売・1面)

●社説・トヨタ不正車検、制度の信頼が揺らぎかねない (読売・3面)

●原油高騰景気に水、一時7年ぶり高値 (読売・8面)

●岸田内閣支持45%、比例投票先自民41%、立憲13%、本社世論調査 (朝日・1面)

●日経平均一時980円安、原油高がきっかけ (朝日・7面)

●新幹線料金時期で600円差、JR東混雑緩和で拡大 (産経・9面)

●トヨタ、今年も総合首位、日経BP「ESGブランド調査」(日経・14面)

《福田俊之》

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