函館本線倶知安駅で配線変更…北海道新幹線整備の一環 10月31日供用開始

すでに姿を現している新ホームを駅西側の倶登山パーク側から見る。H100形気動車4両編成まで対応する。2021年9月20日。
  • すでに姿を現している新ホームを駅西側の倶登山パーク側から見る。H100形気動車4両編成まで対応する。2021年9月20日。
  • 新ホームの位置。駅舎からは連絡通路を通るため、現在の跨線橋は使用停止になる模様。2線のうち、長万部方向へスルーできるのは2番線のみ。
  • 駅の西側に残る旧倶知安機関区の転車台。その向こうが倶知安駅構内。新幹線駅舎はこの部分も含めて一体的に整備される模様で、この転車台の去就が注目される。2021年9月20日。
  • 小樽方の構内。奥の線路が現在の本線、手前が新ホームへ通じる線路。撮影時点では途切れており、接続工事が今後、行なわれる模様。2021年9月20日。
  • 倶知安駅の長万部方。手前が新ホームへ通じる線路。2021年9月20日。
  • 現在の倶知安駅構内。左手の駅舎側ホームは1986年10月まで伊達紋別~京極~倶知安間を結んでいた胆振線の列車が発着していたが、すでに線路が撤去されており、ホームとしては機能していない。左の線路は留置線。2021年9月20日。
  • 東側に建つ現在の倶知安駅舎。新幹線駅舎のエントランスもこの付近になる。2021年9月20日。
  • 在来線廃止を前提に、北海道新幹線倶知安駅周辺整備推進委員会 が最初に示した駅整備案。駅の西側には広大な駐車スペースが建設される構想。

JR北海道は9月17日、函館本線倶知安(くっちゃん)駅(北海道倶知安町)のホームを西側へ移設すると発表した。

現在の倶知安駅構内は、1面2線となっているが、北海道新幹線札幌延伸の一環として行なわれる新幹線駅舎工事に支障するため、3月から支障移転工事が開始されていた。

新ホームは、延長92m、幅4.5~5mの島式ホーム1面ですでに完成。10月31日に供用が開始される。

これにより倶知安駅の構内配線も変更されることから、10月30日は小樽からの上り列車2本(倶知安22時48分着、23時44分着)、10月31日は小樽への下り列車1本(倶知安5時20分発)が運休。蘭越6時16分発の札幌行き快速『ニセコライナー』は倶知安始発に変更となる。いずれもバスによる代行輸送が行なわれる。

この支障移転工事を含み、倶知安町では北海道新幹線札幌延伸へ向けた新駅舎周辺整備の検討が進んでいる。

4月には「北海道新幹線倶知安駅周辺整備推進委員会」が起ち上がり、8月までに3回の会合や意見交換会を行なっているが、6月に開かれた2回目の会合では駅前広場のレイアウト案が提示されており、これを基本にさまざまな検討案が出されている。

北海道新幹線並行在来線対策協議会の後志ブロック会議では、長万部~小樽間を鉄道存続させる場合、赤字必至の厳しい予測が出されているだけに、在来線廃止を前提としたものが検討されているが、仮に廃止が決まれば、今回の新ホームは短命に終わることになるだろう。

ちなみに長万部~小樽間の存廃については、8月6日に開かれた9回目の後志ブロック会議で12月までに方向性を決めることが申し合わされているが、比較的利用者が多く、赤字額を少なく見込める余市~小樽間については7月、後志ブロック会議とは別の個別協議が行なわれており、旧富山ライトレール(現・富山地方鉄道富山港線)を事例にした説明が行なわれたという。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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