東アジア6か国、コロナ禍により移動手段は「二輪車」へシフト…矢野経済調べ

二輪車の購入理由
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  • コロナ禍の移動手段の変化

矢野経済研究所は、アジア7か国の二輪車保有ユーザーへのアンケート調査を実施。コロナ禍により、日本を除くアジア6か国で移動手段は二輪車へシフトしていることが明らかになった。

二輪車需要の牽引役となっているのは、インドや中国、アセアン諸国を中心としたアジア市場。二輪車の全世界保有台数約6億1000万台(2019年時点)のうち、87.1%にあたる約5億3000万台がアジア市場で占められている。また、今後の成長ドライバーとなる国々も、二輪車市場が成長期を迎えているパキスタン、バングラデシュ、CLM諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー)といった後発のアジア新興国とされる。今回の調査では、アジア7市場(日本、インド、中国、インドネシア、ベトナム、タイ、フィリピン)に居住する18歳から69歳代までの男女、二輪車保有ユーザー2383名を対象として、二輪車の利用実態について、消費者アンケート調査を実施した。

まず、保有しているバイクの購入理由を尋ねたところ、国によって意見が分かれている。最も多かったのが「身軽に動けるから」で日本(24.1%)、中国(32.8%)、タイ(40.0%)、フィリピン(27.1%)でトップの理由となっている。このほか、公共交通インフラが脆弱で自動車の普及率が低いインドネシア(35.3%)やベトナム(40.4%)では通勤用途で「仕事で必要だから」がトップとなるといった違いがみられた。

また、コロナ禍の移動手段の変化を尋ねた設問では、日本を除いた6か国で「オートバイ」という回答がトップとなった。感染予防の観点から「公共交通」や「カーシェア、レンタカー」などの回答率は低く、むしろその減少分を「オートバイ」が吸収する格好で伸びている調査結果となった。

コロナ禍による行動様式の再構築期では、社会生活のオンライン化、移動の制限が顕在化している。アジアの広域地域で移動の主軸となっている二輪車もこの影響を大きく受けている。「新型コロナウイルス感染症の流行前より利用が増えた移動手段」としては、日本以外の全ての調査対象国にてオートバイが最も多くの回答者により選ばれており、オートバイが新たなWithコロナの社会生活のニーズに合致していることが伺われる。

《纐纈敏也@DAYS》

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