自民党の総裁選を控えて、東京証券取引所で日経平均株価が上昇を続けている。
9月7日終値は前日より256円25銭高い2万9916円14銭で、8月30日からの7営業日続けて2275円も上昇。取引時間中の上げ幅は400円近くに達し、4月5日(3万0089円)以来、約5カ月ぶりに一時、3万円台を回復した。
きょうの朝日などが「東証一時3万円台」との見出しで取り上げているが、鳴かず飛ばずの菅首相が退陣表明し、新政権の発足で政策が安定するとの期待感に加え、新型コロナウイルス感染拡大のピークが過ぎたとの見方も広がり、投資家心理が改善しているという。
読売は1面トップで、ワクチン接種の進展に合わせ、政府が10月以降、段階的に行動制限を緩和する方針を固めたと伝えている。感染拡大地域でもワクチンを接種済みであれば、県をまたぐ移動を原則として認め、イベントの収容人数の上限を引き上げるほか、飲食店での酒の提供でも制限を緩め、日常生活を取り戻す取り組みを進めるという。
また、取引時間中ではなかったが、トヨタ自動車は、2030年までに電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの車載電池の生産と開発に計約1兆5000億円を投資すると発表。電池のコストを20年代後半までに半減させるなど、開発・供給体制を整えて電動車の需要拡大に対応する狙いのようだ。
この日はスズキやデンソーなどの自動車関連株は軒並み上昇し、トヨタの株価も終値で8月3日以来、約1か月ぶりに1万円台を回復した。ただ、半導体不足に加えて、東南アジアの感染拡大で部品調達が滞っている影響で、スバルやダイハツなども工場の稼働停止を拡大延長する方針で、新車の納期遅れや予約取り消しなどが懸念されている。
2021年9月8日付
●コロナ行動制限秋に緩和、緊急事態下でも、接種済み条件(読売・1面)
●三菱商事、シェルと提携、カナダで発電用アンモニア製造へ(読売・2面)
●トヨタ電池投資1.5兆円、安定調達・コスト半減狙う(読売・9面)
●東証一時3万円台、7営業日続けて上昇(朝日・7面)
●独メーカーEV一色、ミュンヘン自動車ショー開幕(毎日・7面)
●新幹線料金、繁閑期の差拡大へ、JR東、各社と調整(毎日・7面)
●ワゴンR永遠に不滅、スズキ・鈴木俊宏社長(東京・7面)
●京急衝突運転士を書類送検、「ブレーキ操作遅れ」業務致死傷疑い(東京・23面)
●日本株、過熱サイン相次ぐ、先物買い戻しで急上昇(日経・21面)