ルノー、次世代 メガーヌ にフルEV設定…近い将来発売へ

新世代EV車台はルノー日産三菱アライアンスが設計

コンセプトカーはSUVやクーペにインスパイアされたデザイン

コンセプトカーのモーターは最大出力217hp

市販車にはスリムなテールランプや最新のデジタルコックピットを採用

次世代ルノー・メガーヌ のフルEV「E-TECHエレクトリック」のティザーイメージ
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  • ルノー・メガーヌ eビジョン
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ルノーグループは5月6日、次世代のルノー『メガーヌ』(Renault Megane)にフルEVの「E-TECHエレクトリック」を設定し、近い将来発売すると発表した。

ルノーグループは2020年秋、ルノーブランドのEVコンセプトカー、『メガーヌeビジョン』を初公開した。同車は、EV専用の新開発「CMF-EV」プラットフォームをベースに、ルノーの将来のEVハッチバックを提案していた。このコンセプトカーのテクノロジーが、次世代のルノーメガーヌのフルEV、E-TECHエレクトリックに導入されると見られる。

新世代EV車台はルノー日産三菱アライアンスが設計

CMF-EVは新世代のモジュラーEVプラットフォームだ。この新しいプラットフォームは、ルノー日産三菱アライアンスによって設計され、フランスと日本で300万km以上にわたるテストを続けている。CMF-EVプラットフォームは、全高の低いサルーンから大型SUVまで、複数のボディタイプに対応し、さまざまな容量のモジュラーバッテリーを垂直方向と水平方向に取り付けることができる。

CMF-EVプラットフォームでは、フラットなフロアを実現する。排気システムやトランスミッションがないため、インテリアの実用性とモジュール性が向上し、より用途の広いキャビンのためのスペースが確保されているという。

最大2770mmのホイールベースを取ることができ、より大容量のバッテリーと、より長い航続を備えたEVを実現する。車両の床下に搭載されたスリムなバッテリーは、低重心を可能にする。新設計のバッテリーは車両の構造として機能し、側面衝突の場合には、衝撃を吸収する効果を発揮するという。

バッテリーのサイズは、ボディタイプによって変更できる。たとえば、コンパクトカーは、航続の拡大とエネルギー効率の向上による高効率を維持しながら、バッテリーをコンパクトにすることが可能だ。ルノー・メガーヌ eビジョンルノー・メガーヌ eビジョン

コンセプトカーはSUVやクーペにインスパイアされたデザイン

メガーヌeビジョンは、シティカー、SUV、クーペにインスパイアされたデザインを組み合わせたダイナミックなハッチバックだ。このハッチバックボディには、現行のEV向けとしては最もスリムなバッテリーを搭載する。ボディサイズは、全長4210mm、全幅 1800mm、全高1505mm、ホイールベース2700mmとした。

エクステリアのデザインには、洗練された空力機能を備えたコンセプトカー、『モルフォス』のモチーフを取り入れ、柔らかく流れるようなボディラインに、正確なディテールを組み合わせている。大型の20インチホイールに245/40ZR20タイヤ、頑丈なデザインはSUVを彷彿とさせる。短いオーバーハングと長いホイールベースは、スポーティなスポイラーとアルミ製ディフューザーによって引き立てられたコンパクトな外観を強調している。

フロントマスクは、バンパーの下部にある吸気口が特長だ。スリムで鮮やかなLEDマトリックスヘッドライトが装備されている。中央には、ルノーのエンブレムが照らし出され、電気モーターの存在を強調した。透明な充電ソケットには、バッテリーの充電レベルが表示される。

コンセプトカーのモルフォスに着想を得て、フロントエンドの下部と車両の側面に、滑らかなフラッシュグリルが装着された。フロントバンパーの下部にあるエアスクープはエアカーテンの機能を持ち、ホイールアーチ周囲の空気の流れを最適化する。

リアでは、中央にルノーのロゴを配したライトストリップが車両の全幅いっぱいに配され、強い存在感を主張する。最新のLEDテクノロジーが、きらめく効果を生み出している。電動車であることを示す「E-TECH」の「E」のエンブレムは、ルーフと同じゴールドカラーで、1972年のルノーのロゴに見られるような黒い平行線がデザインされた。ルノー・メガーヌ eビジョンルノー・メガーヌ eビジョン

コンセプトカーのモーターは最大出力217hp

インテリアは、CMF-EVプラットフォームを生かして、広い空間を実現する。フラットなフロアで、フロントとリアのスペースを最大化した。スリムで滑らかな「LIVINGSCREEN」と呼ばれるインストルメントパネルが採用されている

EVパワートレインの電気モーターは、最大出力217hp、最大トルク30.6kgmを引き出す。車両重量は1650kgで、駆動方式はFFだ。強力なモーターは、0~100km/h加速8秒以下の性能を発揮する。

蓄電容量60kWhのバッテリーは、最大出力130kW でDC急速充電できる。60kWhのバッテリーは長い航続を可能し、空力ボディが効率を大幅に引き上げるという。メガーヌeビジョンは、実用的でコンパクトでありながら、大型で、より高価なEVに期待されるパフォーマンスと航続を実現する、と自負する。

市販車にはスリムなテールランプや最新のデジタルコックピットを採用

ルノーグループはCO2排出量を削減する取り組みの一環として、2040年に欧州で、2050年に全世界で、カーボンニュートラルを達成することを目標に掲げている。

この目標の達成に向けて、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車の販売台数をさらに増やす。ルノーブランドの欧州新車販売に占める電動車の割合を2025年までに65%、2030年には90%に引き上げることを目指している。

ルノー、ダチア、アルピーヌ、ラーダの4ブランドに関しては、現在よりもアイデンティティとポジショニングを明確にする。4ブランド合計で、2025年までに24の新型車を発売し、その半分はC/Dセグメント車とする。また、少なくとも7車種はフルEVとする計画で、2025年までに電動化の分野におけるリーダーを目指す。

次世代のルノーメガーヌのフルEV、E-TECHエレクトリックは、この7車種のフルEVのうちの1台となる。ルノーは、同車のティザーイメージを3点公開した。スリムなテールランプや最新のデジタルコックピットが採用されているのが見て取れる。ルノーは、コネクテッドカーやフルエレクトリックカーの未来を具現化した、としている。

《森脇稔》

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