510馬力のBMW M4 新型、ドリフトマスターズ欧州選手権に参戦 2021年シーズン

縦長デザインのフロントグリル

サーキット向け「TRACK」モード設定

3.0リットル直6ツインターボエンジンを搭載

「レッドブル・ドリフトブラザーズ」として知られるホウントウンジ兄弟が参戦

BMW M4 クーペ 新型の「2021ドリフトマスターズ欧州選手権」参戦車両
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  • BMW M4クーペ 新型
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BMWの高性能車部門のBMW Mは3月22日、新型『M4クーペ』(BMW M4 Coupe)が、5月29日に開幕する「2021ドリフトマスターズ欧州選手権」に参戦すると発表した。

縦長デザインのフロントグリル

新型M4クーペには、ベース車両の新型『4シリーズクーペ』と同様、縦長デザインのフロントグリルが採用された。ただし、グリルの内部は、新型4シリーズクーペのメッシュパターンから、新型M4クーペでは横バーを配した専用デザインに変更された。フレームレスのキドニーグリルと、その両側の大型エアインテークが空気の流れを最適化するとともに、高性能エンジンの冷却性を高めている。

フロントフェンダーには、エアダクトが追加された。前後バンパーやサイドシルは、エアロダイナミクス性能を追求した専用デザインだ。フロントバンパーの両サイドには、エアカーテンと一体化されたフリックが付き、高速域でのエアロダイナミクスを追求している。

リアスポイラーや4本出しで直径100mmのMテールパイプを組み込んだディフューザーも装備される。エグゾーストシステムには、電子制御フラップが付き、スポーティなサウンドを発生する。軽量化のために、フィンを備えたカーボンファイバー製ルーフが採用された。オプションで、「Mカーボンエクステリアパッケージ」が選択できる。

サーキット向け「TRACK」モード設定

インテリアは、人間工学に基づいて最適化されたスポーツカーのコックピットとした。新開発の「Mスポーツシート」は、ファイングレインメリノレザー仕上げだ。オプションで、新しい「Mカーボンバケットシート」が選択できる。

エンジン、シャシー、ステアリング、ブレーキシステムを設定するM専用のセットアップボタンが備わる。仕様に応じて、「M xDrive」、「ギアシフトアシスタント」、トラクションコントロールなどが、ステアリングホイールのMボタンで切り替えられる。

また、Mモードボタンにより、先進運転支援システム(ADAS)、メーターディスプレイ、オプションのヘッドアップディスプレイの設定をカスタマイズできる。この設定は、「ROAD」と「SPORT」の2種類のモードが標準だ。オプションの「M Drive Professional」を選択すると、サーキット向けの「TRACK」モードが追加される。

3.0リットル直6ツインターボエンジンを搭載

パワートレインには、最新のBMW Mツインパワーターボテクノロジーを採用する。このエンジンは、「S58」型と呼ばれる直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボユニットだ。BMW Mの他の高性能モデルと同様に、新型M4クーペには、2つのパフォーマンスレベルが用意される。

2仕様の中で、さらなる高性能が追求されているのが、「コンペティション」だ。直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力が510hp/6250rpm、最大トルクが66.3kgm/2750~5500rpmに高められた。トランスミッションは「ドライブロジック」を搭載した8速「Mステップトロニック」を組み合わせる。

動力性能は、0~100km/h加速が3.9秒、最高速が250km/h(リミッター作動)。オプションのMドライバーズパッケージでは、最高速が290km/h(リミッター作動)に引き上げられる。

新型M4クーペにはまず、後輪駆動モデルが用意される。2021年夏以降、4WDのM xDriveが初設定される。M xDriveは通常状態ではFRを基本にしながら、路面状況や走行状態に応じて、4WDに変化する。

タイヤサイズは、フロントが275/40ZR18、リアが285/35ZR19。「Mコンパウンドブレーキ」は、フロントが6ピストン、リアがシングルピストンだ。前後ともに「アダプティブMサスペンション」が組み込まれる。

「レッドブル・ドリフトブラザーズ」として知られるホウントウンジ兄弟が参戦

この新型M4クーペのコンペティションが、5月29日に開幕する2021ドリフトマスターズ欧州選手権に参戦する。「レッドブル・ドリフトブラザーズ」として知られるイリアス・ホウントウンジ、ジョー・ホウントウンジの兄弟が、新型M4クーペをドライブする。ホウントウンジ兄弟は2017年、キングオブヨーロッパチャンピオンに輝き、2016~2017年には、チームタイトルも獲得した。2018年からドリフトマスターズ欧州選手権に参戦している。

新型M4クーペは、フロントエンドをほぼ変更することなく、ドリフトマスターズ欧州選手権に参戦できるという。セーフティケージの追加とエアロダイナミクスの変更、エンジンの最適化が図られる。新型M4クーペの直列6気筒エンジンは、モータースポーツでの使用も想定して、BMW Mによって設計された。レーシングカーのBMW 『M4 GT3』も、同じエンジンを積む。

ドリフトマスターズ欧州選手権に参戦する新型M4クーペでは、車両が長時間、横向きで走行する時にパワーを発揮できるように、エンジンを最適化し、リアには冷却システムを追加した。また、1.5G以上のGがかかる状態でも、オイルを安定して供給できるようにした。なお、BMW Mは、現在開発中の車両の写真を1点、公開している。

《森脇稔》

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