舶用水素燃料電池システムの実証試験を開始…ミライの電池 ヤンマー

舶用燃料電池システム実証試験艇
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ヤンマーホールディングスとグループ会社のヤンマーパワーテクノロジーは24日より、舶用水素燃料電池システムの実証試験を開始した。水素燃料を利用した将来のパワートレインの技術開発の一環だ。

実証試験艇「FCプロト艇」は、トヨタ自動車の燃料電池自動車『MIRAI』(ミライ)用燃料電池などを組み合わせて開発した船舶用燃料電池システムを、自社製ボートに搭載した。国土交通省の「水素燃料電池船の安全ガイドライン」に国内で初めて正式に準拠した船舶となる。

船舶業界でも、 国際海事機関において今世紀中の温室効果ガス(GHG)排出ゼロをめざす「GHG削減戦略」が採択されるなど、世界的な環境規制強化が進んでいる。昨年12月に日本の経済産業省が取りまとめた「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」においても、水素やアンモニアなどカーボンフリーな燃料船の開発など、環境に負荷をかけないエネルギー源や動力源の開発が注目されている。

実証試験艇は大分県国東市近海を実証場所として、実運用に向けた船舶特有の課題の抽出と対策の評価を行なう予定だ。将来的には、2025年までの実用化に向け、燃料電池システムの複数台連結による大容量パッケージを開発し、より大型の船舶に対して水素燃料を使用したソリューションの提供をめざす。

●FCプロト艇
船体型式:EX38A
総トン数:7.9トン
全長:12.4メートル
全幅:3.4メートル
推進出力:250kW
燃料電池システム:固体高分子形燃料電池モジュール×2基
水素タンク:70MPa高圧タンク×8本
《高木啓》

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