[カーオーディオの素朴な疑問]サブウーファーって何?

カーオーディオの“分かりづらい部分”の1つ1つに着目し、それらについて解説している当特集。今回からは、「サブウーファー」をテーマに据えてお贈りする。まず当回では「サブウーファー」とは何なのかを明らかにしながら、これが必要となる理由までを説明していく。

スピーカーは口径が小さいほど高音再生に向き、大きいほど低音再生に向く!

結論から入りたい。「サブウーファー」とは、「重低音を再生するためのスピーカー」だ。

さて、その「サブウーファー」について詳しく解説していく前に、スピーカーについての基礎知識を整理しておきたい。スピーカーには他にもタイプ違いがいくつかある。まず、低音から高音までを1つのユニットで再生しようとするスピーカーのことは「フルレンジスピーカー」と呼ばれている。ただし、1つのスピーカーユニットだけで低音から高音までをスムーズに鳴らし切るのはなかなかに難しい。

なぜならスピーカーは、口径が小さくなるほど高音を再生しやすくなり、口径が大きくなるほど低音を再生しやすくなる。つまり、ある程度大きなフルレンジスピーカーでは高音の再生が上手くいかず、ある程度小さなフルレンジスピーカーでは低音を上手く再生するのが難しい。なので「マルチウェイスピーカー」が作られている。口径の異なるスピーカーユニットを何種類か用いてそれぞれに得意な帯域だけを担当させれば、全帯域をよりスムーズに鳴らせるようになるからだ。

で、もっともシンプルなマルチウェイスピーカーが「2ウェイ」だ。2ウェイでは、口径の小さな高音再生用のツイーターと、口径が大きく中低音の再生が得意なミッドウーファー、この2つで全帯域を鳴らそうとする。なお、ミッドウーファーは単にウーファーと呼ばれることもある。しかし本来ウーファーとは、低音再生用のユニットという意味合いが強く、しかし2ウェイのウーファーは中音域までを受け持つこととなるので、“ミッド”を付けてミッドウーファーと呼ばれることが多くなっている。

ちなみに、ツイーターという名称は小鳥のさえずり声が語源で、ウーファーという名称は大型犬やオオカミ、ライオン、トラなどの唸り声を語源としている。そして、2ウェイシステムに中域再生のスペシャリストであるスコーカーを足すと「3ウェイ」となるのだが、このスコーカーという名称は、ネズミやリスの鳴き声、あるいはカラスの鳴き声が語源だ。

サブウーファーの取り付け例(製作ショップ:イースト<大阪府>)。

「サブウーファー」の“サブ”という単語には、2つの意味がある!

続いてはいよいよ、「サブウーファー」について説明していく。

さて、“ウーファー”とは先述したとおり低音を再生するスピーカーのことを指すのだが、その前に付いている“サブ”という単語は何を表しているのかと言うと…。

この“サブ”という単語そのものには、以下のとおり2つの意味がある。1つが「下の」という意味で、もう1つが「補助の」とか「副の」という意味だ。例えば、「サブウェイ(地下鉄)」とか「サブマリン(潜水艦)」とかの“サブ”は「下の」という意味であり、「サブタイトル(副題)」とか「サブリーダー(リーダーを補佐する人物)」とかの“サブ”は、「補助の」とか「副の」という意味の“サブ”だ。

で、「サブウーファー」の“サブ”には両方の意味がある。つまり「サブウーファー」とは、ミッドウーファーが再生する帯域よりも「下の」帯域を再生するユニットであり、ミッドウーファーの再生する低音を、あるいはフロントスピーカーが再生するサウンドの全体を「補助する」スピーカーでもある。

ところで…。ツイーターが再生する高音よりもさらに「上の」帯域の再生を担当するツイーターのことは「スーパーツイーター」と呼ばれている。であるならそれと並列の関係にあるものとして捉える場合には、「サブウーファー」とは「ウーファーが受け持つ帯域よりも“下の”帯域を担当するスピーカー」と定義づけた方がしっくりくる。

実際、厳密にチューニングを行う場合には、ミッドウーファーと「サブウーファー」は、多少のダブりはありつつも担当帯域が分けられる。つまり「サブウーファー」は基本的には、ミッドウーファーが再生する帯域よりも低い音だけを担当することになる。このような実情に即すると、「サブウーファー」の“サブ”は「下の」という意味合いの方が強い、と言って良い。

サブウーファーの取り付け例(製作ショップ:オートステーションK2<大阪府>)。

「サブウーファー」が必要となる理由は、主には2つある!

続いては、カーオーディオで「サブウーファー」が使われることが多いその理由を説明していく。

理由は主には2つある。1つは「ミッドウーファーの低音再生能力に限界があるから」だ。最初に説明したように、スピーカーは口径が大きくなるほど低音再生能力が高まる。しかし、クルマのドアに取り付けられるスピーカーは「17cmクラス」が最大値だ。でも実は、この大きさでは物理的に超低音までをスムーズに再生することが難しい。ゆえに、それよりも口径が大きなスピーカーを用意する必要性が生じる、というわけなのだ。

もう1つの理由は「ロードノイズに低音がマスキングされるから」だ。クルマは走行するとタイヤパターンが路面を蹴り、ノイズを発生することとなる。このノイズのことが「ロードノイズ」と呼ばれているのだが、これは主には低周波(低音)だ。なので音楽の低音に覆い被さり「マスキング現象」を引き起こす。しかし「サブウーファー」を導入して低音再生力を増強すれば、マスキングされた低音がしっかり聴こえるようになる。

かくして、「サブウーファー」を導入すると明らかに音が変化する。そしてその変化幅は、場合によってはスピーカー交換をしたときよりも大きく感じられたりもする。なぜならば、それまでは再生できていなかった音が聴こえてくるようになるからだ。

さて次回は、「サブウーファー」を導入すると音がどう変わるのかをさらに詳しく解説していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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