メルセデスベンツの高性能車部門のメルセデスAMGは12月13日、新型ハイパーカーのメルセデスAMG『プロジェクトワン』(Mercedes-AMG Project ONE)の最新プロトタイプの写真と、F1ドライバーのルイス・ハミルトン選手を起用した映像を公開した。 メルセデスAMGプロジェクトワンは、メルセデスAMGの創業50周年を記念し、F1技術を搭載した公道走行可能なハイパーカーとして、開発を進めているモデルだ。 ◆F1マシン譲りの1.6リットルV6ターボ+4モーターで最高速350km/h以上 メルセデスAMGプロジェクト ワンのパワートレインでは、F1マシン譲りの1.6リットルV型6気筒ガソリンターボエンジンをミッドシップに搭載する。ピストンやクランクシャフト、電装システムが専用設計となり、エンジンは1万1000rpmと非常に高回転まで回るのが特長だ。最大出力は680hp以上を発生する。 この1.6リットルV型6気筒ターボエンジンに、フロント2個(163hp×2個)、ターボチャージャーとエンジンにそれぞれ1個の合計4個のモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド(PHV)とし、加速時などにエンジンのパワーをアシストする。PHVシステム全体では、1000hp以上のパワーを獲得する。 トランスミッションは8速の「AMGスピードシフト8」で、駆動方式は4WDだ。メルセデスAMGプロジェクトワンは、0~200km/h加速6秒以下、最高速350km/h以上の優れたパフォーマンスを可能にする。 ◆EVモードは最長で25km 二次電池はリチウムイオンバッテリーで、F1のテクノロジーを導入する。バッテリーセルとその配置、冷却システムには、メルセデスAMGペトロナスのF1マシンと同じ技術を使用する。リチウムイオンバッテリー、12 Vの車載電気システム向けのDC/DCコンバーターは、フロントアクスル後方の車両フロアにコンパクトに搭載される。 高電圧の「EQ Power +」プラグインハイブリッド(PHV)システムは、通常の400ボルトではなく800ボルトで作動する。電圧レベルが高いため、ケーブルの太さを細くでき、それに応じてスペースと重量を節約した。 走行モードは、EVモードからラップタイムを追求するダイナミックモードまで、複数のモードを用意する。EVモードでは最初、フロントの電気モーターだけで駆動し、加速をサポートする。ドライバーがアクセルをより深く踏み込むと、V6エンジンが始動する。レーススタート機能を使用すると、さらに加速性能が引き上げられる。EVモードでは、最長で25kmのゼロエミッション走行が可能だ。 ◆サスペンションはプッシュロッド サスペンションはプッシュロッドとし、サーキットの特性に合わせて調整可能とした。ABSは標準装備で、ESPは3段階で調整できる。 ESPの「SPORT」はハンドリングモードで、システムが介入する前に、より大きなヨーアングルを可能にする。 専用のセンターロック付き10本スポーク鍛造アルミホイールは、カーボンファイバー製のセミカバーが付き、ホイール周辺の空気の流れを最適化する。スポーク部分には3つの換気スロットがあり、ブレーキの熱を放出する。セラミックブレーキシステムも装備している。 インテリアには、2つの高解像度10インチディスプレイを採用した。F1スタイルのステアリングホイールは、上部と下部がフラットなデザインだ。走行モードやサスペンションの設定、LEDシフトディスプレイなどの調整機能が付く。ルームミラーは、カメラの「ミラーカム」からのリアルタイム映像を表示するスクリーンに置き換えられている。 ◆最新プロトタイプは赤をアクセントに配したカモフラージュが特長 メルセデスAMGは今回、メルセデスAMGプロジェクトワンの最新プロトタイプの写真と、F1ドライバーのルイス・ハミルトン選手を起用した映像を公開した。最新プロトタイプは、赤をアクセントに配したカモフラージュが特長だ。この赤色は、メルセデスAMGが2021年からの電動化に向けて、新技術スローガンとして掲げる「E PERFORMANCE」の中心的な役割を果たすという。 また、ルイス・ハミルトン選手を起用した映像が、『After Work(アフターワーク)』。F1で7回タイトルを獲得しているハミルトン選手が、シーズン終了後に行うことは…、という内容だ。 ルイス・ハミルトン選手は、「F1エンジンを搭載したハイパーカーが、間もなく登場するとは、まだ信じられない。2015年にこのエンジンでF1に勝利し、長い間開発に携わってきた。メルセデスAMGがこのプロジェクトに注ぎ込んだ情熱を、非常に誇りに思う」と語っている。
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