スポーツカーやクーペがかっこいいのは当たり前。けれどベルリーナ(セダン)も、たとえメカニカルな信頼性は危うくとも(!)、あくまでもスタイリッシュに、粋に仕上げるのが今もかつてもイタリア流。今回はそんなイタリア車の上級セダンを振り返る。
マセラティ・クワトロポルテ(1994年)
マセラティ・クワトロポルテ
『クワトロポルテ』としては4代目に当たるモデル。デザインは、ランボルギーニ『カウンタック』ほかの名車を手がけたガンディーニで、リヤタイヤの後方に跳ね上がったホイールアーチは彼の作風。外観は一見すると飾り気のないスタイルだが、全体にウエッジをかけ、ラグジュアリーであってもスポーティ。Cd値は0.31。
マセラティ・クワトロポルテ
室内には手作業のウッドトリム、レザーシート。搭載エンジンは3.2リットルのV8と2.8リットルのV6が設定された。
ランチア・テーマ(1984年)
ランチア・テーマ
ティーポ・クワトロ(4)プロジェクトで生まれた1台。他の3台はフィアット『クロマ』、アルファロメオ『164』、サーブ『9000』。『テーマ』のオリジナルはジウジアーロが手がけたもので、全高を1435mmと高くとった端正なプロポーション。
ランチア・テーマ
ピニンファリーナによるワゴンも用意されたほか、フェラーリ製の2926cc/V8/32バルブを載せた「8・32」も設定された。写真のカタログはいずれも、当時一瞬だけ扱い車種としていたマツダ系販売チャネル、オートザムのもの。
アルファロメオ・アルファ164(1987年)
アルファ164
ランチア『テーマ』同様、ティーポ・クワトロ・プロジェクトの最後発として登場したモデル。スタイリングはピニンファリーナで、サイドウインカー部にPinin……のバッジが装着されていた。本国ではさまざまなエンジン・バリエーションが展開されていたが、日本仕様では主に60度のバンク角をもつV6の3リットルを設定。
アルファ164
「クワドリフォリオ」には200ps/27.4kgmの高性能版が搭載された。写真のカタログは前期型で、後期型ではヘッドランプやセンターコンソールのスイッチ形状などが変更された。