自動車7社3月期予想、トヨタ、ホンダ、スバルと赤字縮小の日産も上方修正[新聞ウォッチ]

日産自動車の上半期決算発表
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気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

2021年3月期連結決算の業績予想で、最終損益の赤字額を7月時点の想定より550億円少ない6150億円に上方修正した日産自動車も中間決算を発表し、国内自動車大手7社が出そろった。

それらによると、4~9月期中間決算では、新型コロナウイルスの感染拡大で販売が落ち込んで全社が減収減益。ただ、トヨタ自動車、ホンダ、スバル、スズキの4社は最終利益で黒字を確保。一方、日産、三菱自動車、マツダの3社は、赤字幅が縮小したものの、コロナ前から抱える“お家の事情”の影響も重なり、赤字となった。

また、21年3月期の業績予想については、中国や米国などで新車販売が急回復していることから、黒字のトヨタ、ホンダ、スバル、それに赤字縮小の日産の4社が当初予想を上方修正した。初公表のスズキは売上高3兆円、最終利益1100億円を見込む。

きょうの各紙にも、中間決算を総括する記事を取り上げているが、一段と二極化が鮮明になった業績に合わせて、各紙の見出しも極端に分かれたのが興味深い。

例えば、読売は「車4社回復基調、上方修正相次ぐ」などと前向きにとらえている半面、東京は「自動車大手3社が赤字」。昨日発表の日産のタイトルでも「日産、赤字6150億円に縮小 需要回復、上方修正」(読売)や「日産、赤字縮小6150億円、固定費削減効果」(毎日)とする一方で、朝日は「日産、赤字3299億円、9月中間決算21年ぶり転落」、産経は「日産 新車不足のツケ、開発後回し、業績回復遅れ」、さらに日経も「日産回復出遅れ鮮明」と厳しい。

記者会見した内田誠社長は「上方修正はしたが、まだ赤字を抱えている。少しでも良い数字になるよう努力したい」とコメントした。新型コロナの再拡大で外出自粛の恐れも取りざたされている中、各社の半年先の業績が気になるところだ。

2020年11月13日付

●日産、赤字6150億円に縮小、3月期予想、需要回復、上方修正(読売・2面)

●日航、冬のボーナス8割減(読売・2面)

●私鉄主要15社赤字、9月中間、事業構想見直し急務(読売・8面)

●車4社回復基調、3月期予想、上方修正相次ぐ(読売・9面)

●新規感染最多1662人、高齢者の割合、増加傾向(朝日・1面)

●PS5課金戦略にシフト、ソニーの屋台骨、会員囲い込み狙う(朝日・6面)

●いすゞ、8万5946台リコール(産経・26面)

●脱炭素へ税優遇、再生エネ製品、設備投資で、政府・与党(日経・1面)

●69年ぶり最終赤字、ブリヂストン、海外工場再編も、今期(日経・13面)

《福田俊之》

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