車載ディスプレイ部材世界市場、コロナ禍で減速も2021年には回復 矢野経済予測

アフターコロナの自動車生産台数と車載ディスプレイ主要部材の需要回復状況予測
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矢野経済研究所は、車載ディスプレイ部材世界市場を調査。コロナ禍により自動車生産台数減少により減速は余儀なくされるものの、2021年には昨年レベルまで回復すると予測する。

世界自動車生産台数はここ数年、8800万~8900万台をキープしてきたが、2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により、大幅に縮小する見込み。順調に搭載数を伸ばしてきた車載ディスプレイだが、部材関連メーカーの中ではポジティブに見て前年比80%程度、ネガティブ要因が重なった場合には60~70%まで縮小するとの見方もある。

車載ディスプレイやタッチパネル(TP)をはじめとする材料市場は、自動車生産台数の減少に伴う縮小は避けられないものの、CASE対応などを背景として、メーター類のディスプレイ化やCID(Center Information Display)搭載率の拡大等で、車載ディスプレイの1台当りの搭載数は増加傾向にある。さらに今後はHUDやサイドミラー、リアビューミラーといったミラー系ディスプレイなど、新たなディスプレイの採用拡大も期待される。

また、車載ディスプレイは搭載数の増加とともに、画面サイズが大型化。CIDでは従来主流だった7~8インチに代わり、2019年以降は10インチ以上のものが主流となっている。加えて、シームレスな内装デザインの流行により、1枚のTP用カバー(前面板)に複数のディスプレイを搭載するマルチディスプレイが登場。ディスプレイやTP用カバー、それらを貼り合せるOCA(Optical Clear Adhesive)・OCR(Optical Clear Resin)の1台当たりの使用量も増加傾向にある。

これらを考慮すると、2020年の車載ディスプレイの主要部材世界出荷数量は、コロナ禍により縮小を余儀なくされるものの、減少幅は自動車生産台数に比べて低い水準にとどまり、2021年の自動車生産台数が2019年対比0.91まで回復する前提ではあるが、2021年の主要部材の世界出荷数量は2019年水準まで回復すると予測する。

日本では、2020年5月に厚生労働省が新型コロナウイルス感染防止を想定した「新しい生活様式」の実践例を公表し、新しい生活スタイルなどが示された。海外でも、多くの国・都市で新たな生活様式の模索が始まるなど、アフターコロナの世界はコロナ禍以前とは違うものになるとされている。

これが自動車生産や車載ディスプレイの需要にどのように影響するかは、現時点では未知数だが、感染防止のため人との接触をできるだけ避けるという行動様式が普及すると、カーナビなど車内電装品にて、従来は一般的だったタッチセンサーによる画面操作を避け、非接触のセンシング機能搭載のニーズが高まる可能性もある。車載用TPメーカーの中には、withコロナ時代の新しい生活様式に対応した製品開発を進めることで、コロナ禍後の需要確保を図る動きも出てきている。

ただし、車載ディスプレイおよびその関連部材に対するニーズは、非接触のセンシング機能搭載のようにwithコロナでクローズアップされたものもあるが、現時点では視認性向上、大画面・曲面対応、軽量化、シームレス化など、以前から変らないものだ。TPや前面板、反射防止に代表される機能性フィルム、OCA・OCRなどの車載ディスプレイ関連部材メーカーには、これらのニーズに確実にコミットする製品の開発・提案を通じ、走行安全性確保やCASE対応といったティア1、OEM(自動車メーカー)の開発テーマを下支えしていくことが求められていくと考える。

《纐纈敏也@DAYS》

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