コネクテッドカー市場は拡大、2035年には2019年比3.0倍の9420万台 富士経済予測

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総合マーケティングビジネスの富士経済は、ハード・ソフトの両面で発展が予想されるコネクテッドカーの世界市場を調査した。その結果を『コネクテッドカー・V2X・自動運転関連市場の将来展望 2020』にまとめた。

コネクテッドカーによる常時接続機能の標準化を背景に、自動車がIoTになり、車同士や人、社会インフラがつながることで、安心・安全な交通社会の実現や、様々な新サービスの開発が期待される。

コネクテッドカーの新車販売台数

富士経済によると、2019年のコネクテッドカー市場は2018年比17.7%増の3120万台となった。2020年には新型コロナウイルス感染症など市場へのマイナス要因もみられる。しかし、自動車メーカーをはじめとしてCASE関連への投資は活発であるため、市場は今後拡大し、2035年には2019年比3.0倍の9420万台が予測される。

コネクテッドカー市場の拡大は乗用車がけん引している。2019年の34%から2035年には80%に上昇するとみられる。商用車においても2035年には75%に上昇すると予想される。

地域別では、現状、北米や欧州がけん引している。長期的に市場拡大をけん引するとみられる中国は、2035年には2019年比4.8倍の2690万台が予測される。日本は、現時点で乗用車の新車販売台数におけるコネクテッドカー比率が75%を超えており、また今後は、新車販売台数が縮小するため、コネクテッドカー市場の大幅な伸びは期待できない。現状はモバイル連携の採用が先行しているが、将来的には車載セルラーの採用が伸びるとみられる。また、車載DSRCの採用は少ないものの堅調な需要が予想される。

通信形態別

富士経済によると、コネクテッドカーを通信形態別にみると、車両側にセルラー通信用のモジュールを装備する「車載セルラー」が増えている。2019年でコネクテッドカー販売台数の60%以上に採用されており、5G通信利用の本格開始に伴い、2022年の採用率は75%を超えると予想される。

スマートフォン端末などの通信機能を用いる「モバイル連携」は、Apple CarPlayやAndroid Autoなどミラーリンク対応車載プラットフォームの普及により、採用が増えている。ユーザーは低コストでコネクテッドカー機能を導入できるため、新興国での採用増加が期待され、今後も堅調に伸びると予想される。

V2X(車車間・路車間無線通信)用に、セルラー通信との競合技術であるDSRCを利用した「車載DSRC」は、現状は10万台の市場規模にとどまっている。これまでは日本のITS Connect対応車種が中心であったが、2020年からフォルクスワーゲンが『ゴルフ』への採用を開始しており、本格的な市場形成が期待される。

注目市場の2D地図と3D地図

2D地図(ナビゲーション地図)は、IVIシステム、スマートフォン連携車載器、サードパーティナビに付帯されるナビゲーション地図を対象とする。ナビゲーション機能やストリートビューなどの情報を活用しており、コネクテッドカーの重要な構成要素だ。

IVIシステムやナビゲーションシステム搭載の車載器の伸びに連動して、2D地図市場は拡大が続いている。

ナビゲーションにスマートフォン地図を利用する安価なディスプレイオーディオの普及は、2D地図市場の拡大阻害要因として懸念されるものの、音質や地図、各種ソフトウェアなどの使いやすさから2D地図搭載のナビゲーションシステムの需要は高い。そのため富士経済では、市場は堅調に拡大すると予想する。

3D地図(ダイナミックマップ)は、自動運転で活用が期待される3D高度化地図を対象とする。現状、全方位レンジファインダを用いるリアルタイム3D地図化方式と、事前に作成した地図情報をクラウド上に蓄積するクラウド/ビッグデータ活用による地図化方式の2通りがある。

2018年よりGMが北米向け、2019年には日産自動車が日本向けに採用を開始した。富士経済によると、当面、市場は緩やかに拡大するとみられる。3D地図を利用しなくてもレベル2程度の自動運転は可能だが、国土が広く高速道路での長時間走行が多い中国や北米、欧州などでは3D地図の需要増加が予想される。また、自動運転レベル3以上では3D地図の採用が増えるとみられ、2035年以降の市場拡大が期待される。

『コネクテッドカー・V2X・自動運転関連市場の将来展望 2020』
2035年市場予測
●コネクテッドカーの新車販売台数:9420万台(2019年比3.0倍)
中国が拡大をけん引。欧米も堅調。日本は小幅な伸びにとどまる。
●通信形態別:車載セルラー7340万台、モバイル連携5100万台
車載セルラー、モバイル連携が大きく伸びる。車載DSRCは一部の需要を獲得。
●3D地図(ダイナミックマップ):256万台
自動運転の普及に伴い、欧州や中国、北米を中心に需要が増加

●調査方法:富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
●調査期間:2019年11月~2020年2月

《高木啓》

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