【メルセデスベンツ EQC 新型試乗】1080万円の価格も妥当に思える迫力の走り…渡辺陽一郎

電気自動車に適したSUVのボディ

モーター駆動独特の凄み

1080万円の価格も妥当に思える

メルセデスベンツ EQC
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電気自動車に適したSUVのボディ

『EQC』はメルセデスベンツの電気自動車だ。プラットフォームはミドルサイズSUVの『GLC』がベースで、ホイールベースの2875mmも等しい。SUVは背が高いので、駆動用リチウムイオン電池を床下に搭載しやすく、電気自動車に適している。

EQCもリチウムイオン電池を前後のサスペンションの中央部分に設置した。最低地上高は、ベースのGLCが160~170mmなのに対してEQCは130mmにとどまるが、居住空間は広い。後席に座る乗員の足が前席の下に収まりやすく、電気自動車でも空間効率を下げていない。

リチウムイオン電池の容量は80kWhと大きく、日産『リーフ』の40kWh/62kWhを大幅に上まわる。フル充電された状態なら、WLTCモード走行で400kmを走れる。

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モーター駆動独特の凄み

モーターは前後に配置され、4WDを成立させた。加速力はきわめて力強い。アクセルペダルを20%位踏んで巡航している時、80%前後まで踏み増すと「ドスン!」と蹴飛ばされたような衝撃が伝わって速度を一気に高めた。乱暴にアクセルを操作すると、ボディにストレスが加わるような加速が生じる。

エンジンはアクセルペダルを踏み増すと回転が高まり、それに連れて動力性能も強まるが、モーターは瞬発力がある。そのためにパワフルな電気自動車では、加速の立ち上がりが衝撃として受け取られる。

しかもモーター駆動は、エンジンと違ってノイズがきわめて小さい。これも独特の凄みを生み出す。車両重量は2500kgと重いから、モーターの駆動力は相当に高い。

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1080万円の価格も妥当に思える

これだけボディが重く、パワフルだと走行安定性が心配になるが、20インチのミシュランパイロットスポーツ4SUVはカーブを曲がる時も良く踏ん張る。乗り心地にも重厚感が伴い、走りのバランスをしっかりと整えた。

価格は1080万円に達するが、迫力のある走りを考えると妥当にも思える。購入時には、申請すると経済産業省により40万円の補助金を受け取ることも可能だ。今まで味わったことのない個性的なクルマに乗りたいユーザーには、適しているだろう。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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